子供の一人寝スタートはいつから?パパ・ママが気になる一人寝習慣化のための3ステップを解説

「子供はいつから1人で寝るのか?」と疑問を抱く、子育て中の親は少なくありません。
子供が成長してくると、自立や親の負担軽減という観点から「1人で寝て欲しい!」と考えるでしょう。

そこで今回は、子育て経験者でもある著者が、子供は一般的にいつから1人で寝るのか?添い寝卒業のタイミングはいつがベストなのか?について解説します。
一人寝習慣化のための3ステップやメリット・デメリットについても触れますので、参考にしてみてください。

「小学校入学時」に一人寝を始める家庭が最も多い!

結論から述べると、「小学校入学時」に一人寝を始める家庭が最も多いです。
ベネッセが実施したアンケート調査では、下記のような結果が出ています。


参考:ベネッセ教育情報サイト

「子供と別々に寝始めたのはいつ?」という質問に対し、小学校入学時期となる「7〜9歳」と回答した親が36%を占めています。
次いで小学校入学を意識し始める「5〜6歳」が18%、乳幼児期である「0〜2歳」はわずか4%という結果でした。

一般的に、小学校入学の時期にはさまざまな変化が起こります。
小学校入学を期に机やベッドを新調する家庭が多く、一人寝のきっかけになりやすいのが要因の1つです。

また小学校入学の時期に一人部屋を与え、勉強できる環境や自立心を促したいという、親心も伺えます。
ただし一人寝のタイミングは、各家庭の事情や方針によって異なるでしょう。

「周囲の子供はもう一人寝をしている!」と焦る必要はありません。子供の最適なタイミングを図っていきましょう。

赤ちゃんの時のおすすめは添い寝?一人寝?効果とともに解説

前述のアンケート結果において、「0〜2歳」の赤ちゃんの一人寝は少数派でした。
赤ちゃんのときのおすすめは添い寝なのでしょうか。

一人寝の効果とともに解説します。
結論から述べると、乳幼児期は添い寝が一般的かつおすすめです。

添い寝は親子の大切なスキンシップであり、赤ちゃんの成長段階において欠かせません。
さらに添い寝は、肌が触れ合うことで幸せホルモン「オキシトシン」が分泌され、精神の安定につながります。

またアメリカの研究によると、意図的に6歳まで添い寝をしていた場合、していない子供に比べて認知的スキル(知能など)が高かったという報告もあるのです。
もちろん、一人寝には子供の自立心を促す効果もあります。

ただし6歳頃までは添い寝をし、親子の貴重なスキンシップを図ることも大切でしょう。

一人寝の開始時期が早いのは男の子?女の子?

一人寝の開始時期が早いのは男の子か?それとも女の子なのか?気になる親がいます。
こちらも結論から述べると、性別による差はありません。

下記は「幼児の添い寝に関する実態調査 」のデータです。


参考:
「幼児の添い寝に関する実態調査 」

年齢や地域に加え、性別においての添い寝の実態調査結果が出ています。
結果、4歳0ヶ月〜4歳11ヶ月の「全体」「都市部」において若干の差があるものの、その他の地域・年齢において性別の差がないことが判明しました。

「男の子だから」「女の子だから」という理由で、早くから一人寝を始める家庭は多くありません。
各家庭や子供の成長に合った添い寝卒業を目指しましょう。

“添い寝” はもともと一般的じゃなかった?

「添い寝」はもともと一般的じゃなかった?
という疑問にお答えします。

1960年代頃の日本では、多くの家庭で「親子が川の字で添い寝」するのが主流でした。
Caudill & Plathの調査によると、「1~5歳児の91%が添い寝をしていた」というデータがあります。

しかしこの10年後、日本の添い寝事情は大きな変貌を遂げました。
「幼児の添い寝に関する実態調査 」によると、1970年代頃の「2歳児との添い寝」が約40%と、幼児期からの一人寝の割合が増加したのです。
参考:「幼児の添い寝に関する実態調査 」

要因は子供の自立心を促すという、欧米の考えを取り入れた影響が考えられます。
しかし1980年代頃に「添い寝が子供に与える心理的な影響」が評価されると、添い寝をする家庭が増加傾向に回復しました。
           

どのようなきっかけで添い寝を卒業するの?タイミング解説

一般的に、どのようなきっかけで添い寝を卒業するのでしょうか?
下記では3つのタイミングを解説します。

  • 子供の身体的な成長のため
  • 下の子が生まれたから
  • 赤ちゃんが夜泣きしなくなったため

ただし各家庭の事情や子供の性格・成長によってさまざまです。
子供の添い寝卒業の参考にしてみてください。

①子供の身体的な成長のため

添い寝の卒業は、子供の身体的な成長が1つのきっかけです。
特に4歳以上は「成長ホルモン」の影響が大きく、一般的に子供の身体は飛躍的に成長します。


参考:成長科学協会

上記は男女別の平均成長パターンです。
男女とも、4〜10歳に身長・体重の上昇が見られます。

同じ布団で添い寝する場合、窮屈な環境は睡眠の質への影響が懸念され、一人寝を始めるケースが多いようです。

②下の子が生まれたから

子供の添い寝卒業には、下の子が生まれたからというきっかけも挙げられます。
それまでは赤ちゃん扱いだった子供に対し、下の子が生まれたことで「兄・姉として成長して欲しい」という考えがあるようです。

また、きょうだいが生まれると「下の子は比較的早い段階で添い寝を卒業させた」というケースもあります。
親が子供だけで寝られる環境を整え、きょうだいだけで寝てもらうというスタイルです。

③赤ちゃんが夜泣きしなくなったため

子供の添い寝卒業には、赤ちゃんが夜泣きしなくなったためというタイミングもあります。
卒乳の時期とも一致するでしょう。

実際に添い寝を卒業するのは小学校入学のきっかけが多いですが、卒乳して赤ちゃんが長く寝るようになると、別室で寝る親も一定数います。
自立心を促すためですが、子供の成長を考慮しながら検討しましょう。

子供の一人寝を習慣化するための3ステップ

子供の一人寝を習慣化するためには、下記の3ステップがおすすめです。

  • 一人寝をスタートする日を決める
  • 子供部屋で寝る習慣を作り、寝かしつける
  • 一人で寝る日や頻度を増やす

上記を実践すれば、徐々に一人寝に慣れるでしょう(子供によって個人差があります)。
それぞれ詳しく解説します。

①一人寝をスタートする日を決める

子供の一人寝を習慣化させたいなら、まずは「一人寝をスタートする日を決める」ことが重要です。
ただし突然「今日から1人で寝ようね!」ではいけません。

子供が希望する日にちや頻度について話し合い、考慮しながら進めましょう。
事前に話し合うことで、子供に心の準備期間をつくることが大切です。

しかしはじめのうちは、子供が親の布団に入ってくることがあります。
その際は責めず、あたたかく迎え入れてあげましょう。

②子供部屋で寝る習慣を作り、寝かしつける

子供部屋で寝る習慣をつくり、寝かしつけるステップも必要です。
可能であれば、寝具の新調や子供部屋の模様替えをしましょう。

1人でも寝たくなる環境を整えれば、徐々に一人寝が定着します。
ただし、いきなり1人で寝かせるのは難しいでしょう。

最初は眠くなるまで、親が隣で絵本の読み聞かせをするなど安心感を与えるのがおすすめです。
また子供が好きなおもちゃや、ぬいぐるみを置いておくのもよいでしょう。

③一人で寝る日や頻度を増やす

一人寝の習慣化のために、最初から毎日1人で寝かせる必要はありません。
子供と相談し、例えば「はじめは3日に
1回」「慣れてくれば1日おきに1回」など、徐々に頻度を高めていきましょう。

その際、同時に寝かしつけの頻度を減らしていくのがおすすめです。
焦る必要はないので、子供のペースに合わせて進めてください。

【ポイント】昼寝の回数を減らし、たくさん外で遊ばせる

子供の一人寝を成功させるためには、昼寝の回数を減らし外でたくさん遊ばせることが大切です。
日中にたくさん遊ばせることで、夜の寝つきをよくします。

ちなみに、子供の推奨睡眠時間は下記を参考にしましょう。


参考:文部科学省

幼児期、学童期の推奨睡眠時間は9〜13時間です。
上記の睡眠時間を確保できるよう、日中はたくさん遊ばせましょう。

ただし疲れ過ぎはよくありません。
子供は疲れすぎると逆に興奮してしまいます。

適度な疲労を心がけましょう。

子供が一人寝を始めるメリット・デメリット

子供の一人寝を実現するための、タイミングやステップは理解できましたか?
ここでは改めて、子供が一人寝を始めるメリット・デメリットを解説します。

それぞれ詳しく解説するので、子供の一人寝に対する理解を深めましょう。

子供が一人寝を始めるメリット

子供が一人寝を始めるメリットは、下記のとおりです。

  • 睡眠時の体温上昇が抑えられ、睡眠が安定する
  • 睡眠時に子供の体温や寝相の影響を受けなくなり、保護者の睡眠の質が上がる
  • 愛着形成ができていれば、子供の自立につながる
また乳幼児期の一人寝は、親の産後うつが軽減されると言われています。
早期の一人寝を焦る必要はありませんが、大きなメリットが期待できるでしょう。

子供が一人寝を始めるデメリット

一方、子供が一人寝を始めるデメリットは下記のとおりです。

  • 親子間の愛着形成が不十分になる可能性がある
  • 子供の異変に気づきにくい
  • 別室にお世話に行くのが大変
親子間の愛着形成が不十分になると、子供の情緒不安定につながるので注意が必要です。
子供の一人寝を成功させるために、日頃から親子間の愛着形成・コミュニケーションの充実を目指しましょう。

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子供の一人寝に関するよくある質問

子供の一人寝は親にとってのメリットが多いですが、不安な気持ちも残るでしょう。
そこで子供の一人寝に関するよくある質問を集めました。

  • 一人寝がNGなのはどんな時?
  • 一人寝がうまくいかない時はどうしたらいい?
  • 早くから一人寝を始めることは自立に繋がる?
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

一人寝がNGなのはどんな時?

一人寝がNGなのはどんな時でしょうか。
1つは病気や怪我があるときです。

子供部屋で一人寝をさせると、子供の変化を見落としてしまう可能性があるので中止しましょう。
また就寝前に寂しそうにしているときも、一人寝はやめた方がよいです。

子供は不安なときこそ、親との触れ合いを求めます。
愛着形成のために、寂しそうにしている場合は添い寝してあげましょう。

さらに一人寝をさせる中で、起床後眠そうな日が続いている場合も添い寝中止を検討してください。
寝かしつけ後に遊んでいる可能性があります。

「もう一人寝をさせる!」と意地にならず、子供の様子に合わせて臨機応変に対応しましょう。

一人寝がうまくいかない時はどうしたらいい?

いざ一人寝を始めてみても、うまくいかない場合はどうしたらいいでしょうか?
簡単なのは、一時的に一人寝を中止してみることです。

子供の性格によって、親と添い寝したい・一人寝は不安と感じることがあります。
その場合は無理して進めず、タイミングを見計らいながら再度チャレンジしましょう。

無理に続けると、驚く年齢の夜泣きにつながる可能性があります。
子供へのストレスも考慮し、親が寄り添ってあげてください。

早くから一人寝を始めることは自立に繋がる?

小学校入学の時期が一人寝のタイミングとして多いですが、早くから一人寝を始めることは自立につながるのでしょうか?
結論から述べると、自立心の形成と一人寝の開始時期に相関はありません。

「添い寝が子どもの信頼感・自立心・依存心へ及ぼす影響」の調査結果をもとに、日本発達心理学会が提出した論文の一部抜粋は次のとおりです。
自立心について、添い寝あり群は添い寝なし群と比較して有意傾向ではあるが、相互独立的自己観得点が高かった。
参考:日本発達心理学会第24回大会発表論文集「添い寝が子どもの信頼感・自立心・依存心へ及ぼす影響 」

つまり、早期の一人寝は若干有意ではあるものの、さほど大きな効果はないということです。
一人寝に最も大切なポイントは、子供に合わせたベストな方法やタイミングと言えるでしょう。

まとめ

子供が成長すると「子供のためにも一人寝をさせた方がよいのでは?」と考えがちです。
しかし無理に一人寝をさせて、子供のストレスになっては意味がありません。

誰でも子育てでは不安になります。
しかし第一に考えるべきなのは、子供の気持ちです。

それぞれの家庭事情や子供の状態を考慮しながら、無理のないペースで始めましょう。

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