子離れできない親の特徴と対処法3選|子離れ度がわかるチェックリストも公開

こんにちは。琵琶湖の自然体験施設BSCウォータースポーツセンターの小学生キャンプディレクターのたつやです。

「子離れ(こばなれ)」とは、親が子供の主体性を尊重し、干渉することをやめる行為です。

しかし「子供がすっかり大きくなったのに、子離れができない」と悩む親は多くいます。
実際のところ、子離れできないと子供に様々な弊害や悪影響を引き起こしかねません。

この記事では、子離れできない親の特徴や対処法を解説していきます。

子離れできないことが生み出す弊害

子離れできないことが生み出す弊害は「子供の成長」に大きく関わることです。
親よりも一番影響を受けるのは子供という事実を知っておきましょう。

子供に影響する弊害
  • 主体性がなくなる
  • 結婚しづらい
  • 親に依存してしまう

まず、主体性がなくなることが一番の弊害です。

なかなか子離れできない親には「親が決めつけてしまう」という特徴があります。
子供が自ら考える機会が減ってしまい、意思決定の力がなくなってしまうのです。
また、子離れは子供の結婚にも大きく関わってきます。
「親は何でもしてくれて当たり前」で育った子供は、同棲や結婚生活がスムーズにいかないケースが多くみられます。

これは、一人っ子政策をした中国で多く見られた現象です。
両親が一人に手をかけすぎた子供たちは自立した結婚生活が送れず、10年連続で離婚率が上がっているとの統計もあります。

そして最後に、子供が親に依存してしまう可能性も出てきます。
問題解決の時には必ず親を頼ったり、最悪の場合は金銭面で依存しかねません。
「子供のためを思って」と考えている行動も、実は子供のためになっていないケースがほとんどと言えます。
参考:中国統計年鑑

子離れできない親のよくある特徴6選

ここからは子離れできない親の特徴をまとめました
少しでも当てはまるなら予備軍となるので、子供との関わり方について振り返ってみましょう。

子供を思い通りにコントロールしたい

子供を「自分の所有物」のように扱ってしまう親は、なかなか子離れができません。

実際のところ「〜しなさい」と親が決めてしまえば、子供の失敗や自分の心配事が減るので安心です。
しかし、これらは”自分の理想通りに成長して欲しい”という願望からきています。
また、親の価値観を押し付けてしまうのも一種のコントロールです。
普段から「〜するべき」と親の考えを押し付けてしまうことも同じです。

もしエスカレートすれば「結婚」「就職」なども常に口を出しまい、いつまでも子離れできなるので注意が必要となります。

過保護&過干渉で何事も気になる

子供に対して過保護になっていると、お子さんのことをいつまでも子供扱いしてしまいます

また、子供同士のトラブルにすぐ口を出すなど過干渉するのもよくありません。
「子供のために」と必死になった結果かもしれませんが、このような親の過保護や過干渉は、子供の「自分で解決する力」を奪うことになってしまいます。

子供に期待しすぎている

子供に自分の期待を背負わせてしまっていませんか?
子離れできない親は子供に過度な期待を背負わせる傾向があります。

  • 将来は安定した職に就いてほしい
  • 30歳までには必ず結婚してほしい

これらは全て親の期待であり、子供の意思ではありません
大人になっても「親の期待に答えなければ」と、子供をずっと縛ってしまうことになります。

また、自分が叶えられなかった夢を子供に託そうとする行為も同じです。
やりたかったスポーツや行きたかった大学への進学を子供に進める行為などが当てはまります。

さらに、テストの点数が悪かったら叱る親も同様です。
子供は一度親に叱られると、学力を伸ばすためではなく、親に怒られないために勉強するようになってしまいます。

子供は、このような親の期待に敏感です。
「こうなってほしい」という子供に対する期待が大きい親ほど、子供に依存してしまっている可能性があります。

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子供がいないと寂しい

子どもの手が離れていくタイミングで、子離れできない親は多くいます。
例えば、子どもが一人暮らしで家を出たり、何でも自分でできるようになった思春期などに強い寂しさを感じます。

実際のところ、子供が巣立っていく寂しさは誰にでもあるはずです。
しかし、その喪失感があまりにも大きく何事にも無気力になってしまうのであれば、精神面のケアをしっかりと行うことが大切です。

  • 自分はもう誰にも必要とされていないのでは?
  • 子育てが終わって何をすればいいか分からない

そのような寂しさからうつ病を発症してしまう親もいるので、注意が必要です。

関連記事:子供の自立のために必要なこととは?NGな行動・心がけたいポイントを紹介!

他人の子供と自分の子供を比較してしまう

自分の子供が発育面・勉強面で平均値から離れていると、親は不安になってしまいます。

まわりの子供や兄弟たちと比較して、「どうしてあなたはできないの?」と叱っていませんか。

子供は親の不安や怒りを敏感に感じ取り、顔色をうかがうようになります。その結果、自分が悪いんだという意識が根付き、自己肯定感の低い子供になってしまうでしょう。

子供の夫婦関係にも干渉する

たとえ子供が結婚しても過干渉をやめられない親も多くいます。
過度に干渉するのは、大切に育ててきた子供が自分の手を離れてしまうことが受け入れられないからでしょう。

そのため、結婚相手を批評したり、孫の育て方にまで口出ししたりするケースもよくあります。

しかし、結婚して自立した子供の夫婦関係や子育てにまで口を出すのはやりすぎです。
親の過干渉が、子供の夫婦関係の悪化を招きます。親は子供を尊重して、応援してあげなければなりません。

子離れできない親の子供への影響

子離れできない親が子供にどんな影響を及ぼすのかを解説します。

子供が自立しにくくなったり、自分で考えて行動できなくなったりするのは親として避けたいはずです。

子供への影響を回避するためにも理解を深めておきましょう。

親が言うことを優先するようになり自立しにくくなる

子離れできない親を持つ子供には、親の言うことを優先して行動するという特徴があります。自立できていないため、親からの指示を待ってしまうようになるでしょう。

人間は失敗から学んで成長するものです。しかし、子供が壁にぶつかる前に過保護な親が先回りして回避させます。そうするうちに子供も親に依存してしまい、自立心が損なわれてしまいます。

自分で考え行動する力が養われない

子離れできない親の元で育った子供は、自分で考えて行動する力が身につきません。なぜなら、自分で考えるまでもなく何でも親がやってくれるからです。

子供自身の考えが親に否定され、押さえつけられている場合もあるでしょう。そのため、積極的に行動しない受動的な子供になってしまいます。

また、そのまま成長すると、大人になって社会に出てからも主体的な行動はできません。

子離れできない親が試すべき対処法3選

子離れできない特徴に少しでも当てはまったら、まずは以下で紹介する行動をしていきましょう。
今からでも親ができることはたくさんあります。

趣味を持って自分の人生を楽しむ

まず、子供にかけていた時間を自分の趣味に使ってみてはいかがでしょうか?

しかし、いきなり趣味を持てと言われても思いつかない⋯という人も多いはずです。
日本全国の統計でも「趣味と言えるのが分からない」と答える50代の男女は21〜26%にのぼりました

もちろん「お金をかけて習い事をしないといけない」と意気込む必要はありません。
カフェ巡りや読書も立派な趣味ですし、ペットを飼い始めたり、庭いじりから始める人もいます。

さらに新しい趣味から広がる人間関係も、子離れに良い効果をもたらしてくれるはずです。
参考:趣味に関するアンケート調査-アスマーク調べ

子供の挑戦を否定しないで全部応援する

子供がやりたいことに対して、親が口を出してしまうのは一種のコントロールです。

「失敗してもいいんだよ」と、否定せずに全部応援してあげましょう。
まずは子供の主体性を意識してみてください。

ちなみに、主体性を育む教育に力を入れている国はフィンランドです。
世界の国の幸福度ランキングで3年連続1位となり、子供の主体性を育むのが国で重要とされています。
フィンランドでは、未就学児〜大学院まで授業料が無料であるだけでなく、経済協力開発機構(OECD)が実施する学力の調査でも、2000年代〜安定して世界トップクラスの成績を納めています。

参考:フィンランド教育の大きな特徴3選!日本と教育の違いやメリット

そのフィンランドで大切にされているのが「子供の話を聞く」という行為です。
親として意見を出すのではなく、まずは子供の話を聞いてあげましょう。
そして、子供の意見を否定しないことが重要です。

親の役目は、コーチ役ではなくサポート役に回ることです。
常に見守る姿勢になれば、肩の力も抜けて子離れしやすくなります。
参考:OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果
参考:世界幸福度調査World Happiness Report2020

関連記事:【2021最新版】小学生男女別将来の夢ランキングトップ10を発表!将来の夢がない子供の割合は?親はどうやって応援する?

子供の年齢毎に少しずつ行動を変える

「どのくらいの時期から子離れを始めればいいか分からない」
という人は、子供の年齢に合わせて少しずつでも日頃の行動を変えてみてはどうでしょうか?

小学生なら

  • 何でも自分で準備させてみる
  • 子供のトラブルは最後まで口出ししない

などが大切です。
持ち物や洋服選びなど、朝の準備を子供に任せてみるところから始めてみましょう。
また子供同士でトラブルになった場合は、まず本人たちに話し合いをさせることが重要です。

関連記事:子供のケンカに親は出るべき?正しい叱り方と相手方の親への対処方法

中学生なら

さらに中学生になると生理や声変わりなど、体の変化も起こってきます。
さまざまなことに敏感になり始める時期です。

  • 反抗期は無理に口出ししない
  • 異性関係を詮索しない

など、なるべく見守る姿勢でいるといいでしょう。

高校生なら

さらに高校生にもなれば、行動範囲もずいぶん広がるはずです。

この時期に「バイトは絶対にダメ」「他の子が遊んでいても夕方には帰りなさい」「携帯は必要ない」など、小さい子供のように縛る親もいます。

もちろん、危険なことは制限するべきですが、子供の人間関係や学校のことは本人に任せてみてください
心配性で本人の意思に任せられないなら、子離れできていない証拠です。
年齢に合わせて少しずつでいいので、子供を信頼して任せてみましょう。

大学生なら

大学生になると、親が干渉する必要は一切なくなると言ってもよいでしょう。

子供はすでに「保護する対象」ではなく、「見守る対象」になったという意識を持ってください。

  • 生活面での自立(健康的な生活リズムを自分で整えるなど)
  • 精神面での自立(自分のことは自分で決めるなど)
  • 経済面での自立(親に依存しないよう、娯楽費程度は自分で稼ぐなど)

上記の3つをテーマとして子供が自立できるようにサポートしてあげる姿勢が大切です。

社会人・大人なら

子供が成人したら基本的に子育ては終わりですから、適度な距離で付き合うようにしましょう。

社会に出ると仕事を始めたり、新しい出会いがあったりして、子供の世界はどんどん広がっていきます。

そのため、子供が社会人になったら相談されない限りは口出ししないなど、必要以上に子供の生活に干渉しない姿勢が必要です。

親子ではありますが、大人同士として接するように心がけましょう。

結婚後

結婚後も子離れできないと子供の結婚生活の邪魔になりかねません。

  • 子供のパートナーを評価する
  • 結婚後も同居を求める
  • 孫の教育に口出しする

上記のような義両親の口出しや干渉が、夫婦関係を悪化させる原因になります。

子供の幸せを壊さないためにも、親は親で自分の人生を楽しむようにしましょう。

子離れできない親の子供への依存度チェックリスト

「もしかしたら子離れできていないかも…」と心配になっている人は、以下の子供への依存度チェックリストを試してみてください。

客観的に評価してはじめて気付けることもあるかもしれません。

普段の生活編
  • 子供のことをほとんど褒めない
  • 子供の部屋や持ち物をチェックしている
  • 子供の意見を聞かない、否定する
  • 「あなたのために言っている」などと親の意見を押し付ける

 

教育編
  • 学校や塾の成績のことで厳しく叱る、責める
  • 勉強やスポーツの成績で周囲の子供たちや兄弟と比べるようなことを言う
  • 子供がやりたがらない習い事に行かせている

 

交友関係編
  • 友達・恋人関係に口を出す、制限している
  • 遊びに行く行動範囲を制限している
  • 誰とどこで何をするのか、など何でも細かく知ろうとする

あなたは上記のチェックリストにいくつ当てはまりますか。

当てはまる数が多いと、それだけ依存度が高いと言えます。今すぐに子供への態度を改める必要があるでしょう。

ほかにも自分の趣味がない・友達がいないといった人は子供に依存しやすい傾向にあります。
自身の環境や言動を振り返ってみてください。

特に、子供が幼ければ幼いほど、親による影響は大きくなります。
親が子供から離れて自立しなければ、子供も自立できません。

子離れできない人の別の呼び方は過保護?ダメ親?

子離れできない親のことを「ヘリコプターペアレント」と呼びます。
由来は「頭上を旋回するヘリコプターのようにべったり寄り添い、トラブルがあればすぐ介入して救ってしまう親」という意味からきています。

具体例としては子供の職場や学校についてくるなどの、常識に照らすと考えにくい行動をとる親が該当する
引用:weblio辞書

日本では馴染みのない言葉ですが、アメリカでは社会問題化しているほどです。
「つい過保護になってしまう」という親は多く、毒親やモンスターペアレントよりも一番多いのでは無いか?と言われています。
他にも似ている言葉の「カーリングペアレント」は、”子供が進む道を先回りして整えてしまう親”を指します。

呼び方や由来は様々ですが、共通しているのは「自覚症状が少ない」ということです。
予備軍も含めると多いとされているため、自分も当てはまるかも⋯と思った時点で意識していく必要があります。

参考:【必見】過干渉と過保護の違いを簡単に解説|過干渉はどこから?簡単なチェックリスト公開

子離れできない親の特徴と対処法まとめ

このように、親が子離れできないと子供に悪影響を及ぼし、主体性を失うなど結婚にも影響が出てきます。

文中でも紹介した主体性を重んじる国フィンランドでは、北欧の自然で遊んだり「レイキモッキ」と呼ばれる子供専用の家が庭にあったりします。

親の目が届かない自然の中でのびのびと遊ぶことも、トップクラスの学力向上や幸せの国と呼ばれる教育のうちの一つです。BSCウォータースポーツセンターでは、子供の主体性を養うプログラムがたくさんあります。

自然体験や野外教育など、普段の生活ではできない刺激が豊富です。

一度子供と離れる機会を作ってみると、親にも子供にも変化があるでしょう。
子離れできずに悩んでいる方は、是非一度自然の力や環境に頼ってみるのはいかがでしょうか。

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