小4の壁って何?よくみられる行動を紹介|小4の壁の原因と保護者のサポート方法も解説

「小4になってから、子供に元気がない」そんな風に悩んでいませんか?
小学4年生になると、「小4の壁」に直面する親がいます。

「小4の壁は本当に大変だった」これは、筆者の先輩ママの言葉です。
「小4の壁」は、子供の発達段階や放課後の居場所など、幅広く問題視されています。

当記事では、多くの親子が悩む「小4の壁」について解説します。
詳細や原因、親の正しいサポートも紹介するので、参考にしてみてください。

小4の壁は反抗期?どんな行動を取るの?

「小4の壁」とは、簡単に述べると「脳の発達や生活・学習の変化において、子供がストレスを抱えたり自己肯定感が低くなる」という現象を指します。

小4の壁は「9歳の壁」や「10歳の壁」とも呼ばれますが、この時期は周囲や自身を客観視できるようになる点が特徴です。

文部科学省の「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」でも取り上げられており、問題視されています。

自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。
身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
引用:文部科学省

また閉鎖的な子供の集団が影響し、他人の意見に同調しやすくなるという場合もあります。

さまざまな要因が絡み合う小4の壁ですが、「学童保育がなくなる」という点も原因です。
親への負担が生じる時期でもあり、悩む人は少なくありません。

小4の壁は、いわゆる「反抗期」とは違います。大変な時期ですが、適切なサポートで乗り越えましょう。

自己意識が強まり他人と比べるようになる(シュタイナー)

小4の壁による子供の行動は、自己意識が強まり他人と比べるようになるという点です。

19世紀後半から活躍していたルドルフ・シュタイナーは、9歳という年齢を境に子供の行動には変化が起きると提唱しています。
子どもは「自己意識」(Selbstbewuβtsein)を強め、「自己を世界から区別しはじめる」存在となる。
引用:日本教育学会

前述したとおり、他人と比べるようになると劣等感を抱きやすくなります。

自己肯定感が下がる一因となるため、乗り越えるには親のサポートが必要です。

勉強について行くのが難しくなる

小4の壁は、勉強について行くのが難しくなるケースが多いです。
小学4年生になると、算数や国語などの難易度が上がるため、勉強に対する苦手意識を抱く子供が増えます。

例えば算数の場合、小学3年生までの学習内容は、たし算・引き算などの単純な計算問題がほとんどです。

しかし小学4年生になると、図形やかけ算・わり算など、学習レベルが高くなります。

これまで以上の思考力を問われるため、勉強へのつまずきが生まれるのです。

自己肯定感が低く学校に馴染みにくくなる

小4の壁は、自己肯定感が低く学校に馴染みにくくなるという行動も目立ちます。

前述したとおり、9歳を過ぎると周囲や自身を客観視できるようになります。自己肯定感が育まれる一方で、周囲と自分の能力差を比較する時期です。

自分が周囲よりも「劣っている」と感じ始めると、自己肯定感が低くなり、同時に学校に馴染みにくくなります。

小4の壁が起こる原因は?

小4の壁が起こる原因は、下記2つが挙げられます。

  • イメージしにくい抽象的な学習内容が多くなる
  • 学童保育がなくなり自分の居場所が減る

「勉強についていけない」や「家に帰っても誰もいない」という原因に対して、親がしっかり理解を示す必要があります。

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

イメージしにくい抽象的な学習内容が多くなる

小4の壁の原因は、イメージしにくい抽象的な学習内容が多くなる点が挙げられます。

小学4年生以降は、それまでの学習の積み重ねが重要です。読解能力や思考力が問われ、勉強的な要素も強くなります。

国立教育政策研究所の調査では、日本の子供の読解力は世界37カ国中11位です。
読解力の自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに、引き続き、課題がある。
引用:国立教育政策研究所

抽象的な学習が多くなると「つまずき」が生じ、さらに学校に馴染みにくくなるという悪循環を生んでしまいます。

学童保育がなくなり自分の居場所が減る        

小4の壁には、学童保育がなくなり自分の居場所が減るといった原因もあります。

基本的に、学童保育は小学3年生までです。
親が働き方を変更できなければ、子供は帰宅後、1人で過ごすことになります。

また友達と過ごす時間も減ってしまうと、「自分の居場所が減った」と塞ぎがちになってしまうのです。

子供が自分の居場所を見つけるには、新しい習い事や、他の学外活動に挑戦してみるのもいいかもしれません。

関連:【厳選】子供に習わせて本当に良かったおすすめ習い事ランキング9選|小学生に人気の習い事を一覧で紹介!

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小4の壁を乗り越える保護者のサポート方法&NG対応

小4の壁を乗り越えるためには、保護者のサポートが必要です。

サポート方法とNG対応を紹介します。

OK対応
  • 学習面で負担にならない程度にサポートする(算数・国語)
  • 褒めることで自己肯定感をUPさせる
  • 小説などの読書を勧める
NG対応
  • 他の子と比較する
  • アドバイスではなく「指示」をする
  • 仕事を理由に子供に向き合わない

保護者が協力すれば、小4の壁は乗り越えられます。

詳しく解説するので、参考にしてみてください。

OK:学習面で負担にならない程度にサポートする(算数・国語)

小4の壁を乗り越えるためには、親のサポートが重要です。
学習面では、負担にならない程度にサポートしてあげましょう。

小4の壁は、抽象的な学習内容が原因の1つです。
問題の意図をイメージしやすいように、図やイラストを用いて視覚的なサポートができると最適でしょう。

また苦手の克服には、繰り返し行う反復学習が効果的です。
特に算数は、一度つまずくと理解できなくなります。
「どこからわからないのか?」を明確にし、家庭学習で類似問題などに取り組むのがよいでしょう。

関連:【親必見】子供の家庭学習がうまくいくコツを解説|小学生・中学生の学習習慣の現状は?

OK:褒めることで自己肯定感をUPさせる

子供は親に褒められることで、徐々に自己肯定感を取り戻します。
小4の壁を乗り越えるためには、褒めて自己肯定感をUPさせるのも適切なサポートです。

具体的には、できないことができたら「〇〇できるようになってすごいね!」と声をかけましょう。

ポイントは、どこがすごいのかを具体的に伝えることです。
子供が褒められた内容に納得できれば、自己肯定感や自信にも繋がります。

関連記事:効果すごい?子供を伸ばす褒め方4選|褒め方のコツや良い褒め方の例

OK:小説などの読書を勧める

小4の壁を乗り越えるために、小説などの読書を勧めるのもよいでしょう。
物語を読むのは、抽象的思考を育めるからです。

小説は、文章だけで登場人物の構造をイメージしたり、情景を想像する力が培われます。

また、自分や周囲の状況を一歩上から客観視する能力「メタ認知」も高まると言われているので、取り入れて損はないでしょう。                                

NG:他の子と比較する

小4の壁では、他の子と比較するのはNGです。
「〇〇ちゃんはできているのに」などと声をかけてしまうと、子供の自己肯定感はさらに低くなります。

自己肯定感や自信がなくなると、周囲との劣等感に悩み、不登校や塞ぎがちになるケースに陥るでしょう。

小4の壁は子供にとってもつらい時期です。
親が味方になる、という意識を忘れないでください。

NG:アドバイスではなく「指示」をする

「親がなにかしてあげなくては」と考えるのはよいですが、アドバイスではなく「指示」をするのはNG行動です。
「〇〇しなさい」ではなく、「〇〇してみたら?できるようになるかも」など、あくまでもアドバイスの姿勢を守りましょう。

小4の壁に対して、不安や焦りを抱く気持ちはわかります。
しかし、子供の問題を親が解決するのは本末転倒です。絶対にやめましょう。                

NG:仕事を理由に子供に向き合わない

小4の壁の時期は、子供もストレスや不安を抱えています。
そのため、仕事を理由に子供に向き合わないのはNGです。

子供の小4の壁は、親のサポートが大切な役割を担います。
「仕事が忙しいから」と子供を遠ざけていると、子供の自己肯定感はどんどん下がっていくでしょう。

仕事が大変であっても、子供とのスキンシップや会話を疎かにしてはいけません。

小4の壁に関するよくある質問

小4の壁に関する、よくある質問に回答します。

  • 子供の小4の壁が原因で退職・転職する親もいるって本当?
  • 小4の壁が原因で不登校の子供は無理に学校に行かせない方がいい?

どちらも重大な問題です。理解しておくと安心なので、最後まで読んでみてください。

子供の小4の壁が原因で退職・転職する親もいるって本当?

子供の小4の壁が原因で、退職や転職を決断する親は一定数います。

前述したとおり、公立の学童保育は小学3年生までです。
いわゆる「鍵っ子」になる子供もいますが、小学生のうちは親も心配します。

しかし預け先がないため、親は退職もしくは時短勤務が可能な仕事への転職を決断するのです。

困ったときは保護者だけで抱え込まず、専門機関へ相談するのもよいでしょう。
民間の学童も存在します。

気になる人はチェックしてみてください。

関連:ワーママが転職を成功させるコツを解説

小4の壁が原因で不登校の子供は無理に学校に行かせない方がいい?

小4の壁が原因で不登校になってしまったら、親は「無理に学校へ行かせない方がいいのか」不安を抱くでしょう。

結論から述べると、本人のペースに合わせるのが最適です。
行きたくないのに、焦って無理に行かせる必要はありません。

最近では、家庭学習ができるツールも充実しています。
子供のペースに合わせて、家庭で学習のサポートなどを行うのがよいでしょう。

小4の壁は乗り越えられる!

小4の壁は、多くの子供が経験する現象です。子供が悪いわけでも、親に非があるわけでもありません。

子供は常に成長します。成長の過程だと認識し、悩みを抱え込まないようにしましょう。

小4の壁は、必ず乗り越えられます。

家族や周囲の協力を仰ぎながら、子供に寄り添うという意識を忘れないでください。

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