子供にヒステリックに怒ってしまう病気とは?怒りを抑える対処法も紹介

「子供に対してヒステリックに怒ってしまうのは病気のせい?」

「怒りっぽくなる病気ってあるの?」

このような疑問を持つ保護者もいるのではないでしょうか。

子供の行動についイライラしてしまう人も多いものです。しかし、異常なほどヒステリックに怒ってしまうのなら病気が原因かもしれません。

この記事では、子供にヒステリックに怒ってしまう可能性のある病気と受診先について解説します。ヒステリックに怒ってしまう時の対策法も紹介しますので、子供に怒りすぎてしまうと悩んでいる人必見です。

子供にヒステリックに怒ってしまう病気9選

子供に対してヒステリックに怒るのは気持ちの問題だけではありません。

身体的・精神的な病気でも、子供に対しヒステリックに怒ってしまう可能性があるのです。
ここでは、イライラを引き起こす病気を9つ紹介します。

①甲状腺機能亢進症

甲状腺亢進症が原因で、子供に対し強く怒ってしまう可能性があります。

甲状腺ホルモンが出すぎた状態で、イライラや頻脈などの症状が現れるためです。

甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの大量分泌で起こる病気です。
常に動悸がし、汗をかきやすくなったりイライラしやすくなったりします。

そのため、子供に対して怒りやすくなる可能性があるのです。

甲状腺機能亢進症を治療せず放置すると、ストレスなどが引き金となり甲状腺クリーゼになる恐れも。
暴力や精神異常の他、命に関わるため早期治療が必要です。

参考サイト:甲状腺の病気 意外に多い、機能亢進症・機能低下症

参考サイト:甲状腺クリーゼ

②月経前気分障害(PMDD)

ヒステリックに怒ってしまう時期が月経と関連している場合、月経前気分障害も考えられます。
排卵後から月経までの間、気分の落ち込みやイライラが激しくなる病気です。

ホルモンバランスの変化により、排卵日から月経前はイライラしやすい時期です。

人によっては日常生活に支障が出るレベルになるケースも。
月経が始まれば落ち着き、月経前症候群(PMS)より精神症状が激しいのが特徴です。

参考サイト:たわらクリニック 月経前症候群(PMS)/ 月経前気分障害(PMDD)

参考サイト:日本産科婦人科学会 月経前症候群

③更年期障害

40代半ばを過ぎてから、子供に怒りやすくなったのなら更年期障害の影響が考えられます。
加齢による女性ホルモンの低下で、セロトニンが減りイライラしやすくなるためです。

更年期障害は40代後半から起こりやすいと言われています。
さまざまな症状が出ますが、イライラするのは精神神経系を強く感じやすい人です。
イライラ感の他、不眠やうつなどの症状を感じる場合も。

更年期障害と子供の思春期や親の介護が重なり、精神症状が悪化するケースも考えられます。

ライフスタイルが変化する時期と重なるため、環境により症状のつらさを感じやすいでしょう。

参考サイト:大塚製薬 更年期ラボ

参考サイト:オムロン 更年期Q&A

④うつ病

うつ病も子供に当たってしまう可能性のある病気です。
考えがまとまらなくなり、気持ちに任せて子供に怒ってしまうかもしれません。

うつ病は、気持ちに関係するセロトニンやノルアドレナリンの減少で起こり、精神や身体に症状が出ます。
気分が重い、イライラするなどの他に、体のだるさやめまいなどを感じる人も。

出産後のホルモンバランスで産後うつが引き起こされる場合もあります。

薬を飲むと授乳できないと考え、治療を受けず悪化する場合もある病気です。

参考サイト:たわらクリニック うつ病の症状

参考サイト:厚生労働省 e‐ヘルスネット 妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療

⑤双極性障害

子供に怒ってしまう病気として双極性障害があります。
病気で気分が高まっている状態の時にトラブルを起こしやすいと言われています。

双極性障害とは、テンションが高い躁状態と、鬱っぽい時期を繰り返す病気です。
昔は躁うつ病と呼ばれていました。
気が大きくなり攻撃性が増し、生活で問題を起こしてしまうことがあります。

子育てでは、躁状態でイライラが増したとき、子供に怒ってしまう恐れがあるでしょう。

参考サイト:厚生労働省 e‐ヘルスネット 双極性障害

⑥統合失調症

統合失調症も子供に怒ってしまいがちな病気です。
妄想や幻聴などの症状が現れ、思い込みで子供に接してしまう恐れがあるためです。

統合失調症は妄想や幻覚中心の「妄想型」、感情や意欲に問題が出る「解体型」、興奮と昏迷が中心の「緊張型」に分類されます。

さらに、興奮して叫ぶなどの激しい症状を「陽性症状」と、興味関心がなくなる「陰性症状」に分けられます。

参考サイト:厚生労働省 e‐ヘルスネット 統合失調症

⑦不眠症

不眠症により怒りっぽくなる可能性も考えられます。
眠りたいのに眠れず、体と精神に支障が出る病気です。

不眠症は寝つきが悪い「入眠障害」、途中で起きる「中途覚醒」、早く目覚めてしまう「早朝覚醒」、熟睡した感じがしない「熟眠障害」に分けられます。

どのパターンでも、眠りたいのに眠れないため、イライラなどの精神症状を引き起こす恐れがあります。

参考サイト:厚生労働省 e‐ヘルスネット 不眠症

⑧発達障害

親の発達障害が原因で子育てがうまくいかず、怒ってしまう場合も考えられます。

発達障害とは生まれつき持つ脳機能障害で、自閉スペクトラム症やADHDが代表的です。
こだわりや多動性などさまざまな特性を持ち、子供時代に発覚するケースが多いです。

ただし、特性が軽く環境に恵まれた場合は発達障害だと気づかないパターンも。
大人になってから社会生活につまづき、発達障害と診断されるケースも増えています。

発達障害はコミュニケーションがうまく取れない人が多く、子育てで悩む人もいます。
例えば、ADHDの母親がパニックを起こして子供に怒りっぽくなってしまうケースが考えられます。

そのまま放置されると毒親になる可能性もあるでしょう。

参考サイト:厚生労働省 e‐ヘルスネット 発達障害

⑨間欠爆発症

怒りっぽくなる病気のひとつに、間欠爆発症があります。
突然激しく怒り出す病気で、30分程度激しく怒り収まるのが特徴です。

間欠爆発症が発症するのは小児期後期から青年期で、40歳すぎに発症するのはまれです。
爆発的に怒るのは1年に3回程度と少ないですが、急に怒り出し激しい言葉での攻撃が目立ちます。

参考サイト:ハートクリニック 間欠爆発症/間欠性爆発性障害

子供にヒステリックに怒ってしまう病気が疑われる時の受診先3つ

子供に怒ってしまう病気かどうか、病院で検査などを行う必要があります。

何科を受診したらよいか迷う人もいるでしょう。

ここでは、子供に怒ってしまう病気を診断するための受信先を紹介します。

まずは内科で体の状態をチェック

子供に怒ってしまう以外に体の不調があるなら、まず内科でチェックしましょう。

血液検査などで病気が見つかる可能性があるためです。

子育て中は忙しく、自分の健康診断などおろそかになっている人もいるのではないでしょうか。

体の病気がないか知るために、まず内科での検査をおすすめします。
血液検査など行い、甲状腺異常などが見つからなければ婦人科や内科を受診しましょう。

婦人科でホルモンバランスをチェック

女性でイライラしがちなら、婦人科受診もおすすめします。

ホルモンバランスの崩れにより精神症状が出ている可能性があるためです。

女性はホルモンバランスの変化により、排卵前後や生理前後に怒りっぽくなることがあります。

体のむくみなど他の症状もひどくつらいようなら、婦人科を受診してみましょう。

原因が分かれば、投薬治療でよくなる可能性もあります。

精神科・心療内科を受診する

内科や婦人科で問題がない場合は、精神科や心療内科を受診してみましょう。

生活改善や投薬治療で楽になる方法が見つかるかもしれません。

精神的な病気の場合、子供に怒ってしまう他にも症状があるでしょう。

例えば不眠症なら、うまく眠れず悩む人が多いものです。
薬や生活リズムの改善で眠れるようになれば、気持ちに余裕が出てイライラしなくなります。

結果、子供に怒ってしまう回数も減るのです。

授乳中など、薬を飲むことに抵抗を感じる人もいるでしょう。

子供の健やかな発達には、母親の健康状態も大切です。
治療について病院の先生とよく相談してください。

子供にヒステリックに怒らないようにする対処法3選

怒ってしまうのが病気でなければ、自分で対処法を身につける必要があります。

ここでは、子供にひどく怒らないようにする方法を紹介します。

イライラしたら子供から離れる

感情で子供を怒りそうになったら、その場から離れてみましょう。

距離を取ると気持ちが落ち着き、感情に任せて怒るのを防げます。

イライラは親の問題ですが、子供の行動がきっかけとなり怒りが生じます。

子供を見なければ怒りのトリガーとなりません。
感情で怒りそうになったら別の部屋に行くなど離れてみましょう。

家族に預けたり、ファミリーサポートなどを利用するのも一つの手です。
1人になる時間が取れると気持ちに余裕が出て、子育てに良い影響を与えるでしょう。

アンガーマネジメントを学ぶ

怒りを抑える方法として、アンガーマネジメントを学ぶのもおすすめです。

アメリカ発祥の心理トレーニングで、怒る場面を見極める方法が学べます。

アンガーマネジメントでは、怒りをコントロールするのではありません。

自分と他人の違いを知り、怒る場面を見極め円滑な人間関係を築くのが目的です。

アンガーマネジメントは仕事や育児、人間関係などに役立つため、子供から大人まで取り入れられています。
子育ても人間関係なので、子供に対してついカッとなってしまう人に有効なトレーニングでしょう。

保護者向けアンガーマネジメントは、自治体の講習会などで受けられます。

その他、通信教育やセミナー、書籍などでも学ぶことが可能です。

参考サイト:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 アンガーマネジメントとは

専門機関に相談する

子育てに関して専門機関に相談するのも、感情で怒らないための有効手段です。
第三者に話すと考えが整理でき、子供に怒ってしまう原因に気づくかもしれません。

子供に怒りすぎるのは、親自身のストレスなどが原因でしょう。
何がストレスになっているのかを知り対処することで、子供へ感情的になるのを抑えられるかもしれません。

自治体には子育てについて相談できる場所があります
話すだけで楽になる場合もありますので、利用しやすい相談先に問い合わせてみましょう。

まとめ:子供にヒステリックに怒ってしまうなら病気も疑ってみよう

子供に対する怒りを抑えられないなら病気かもしれません。

感情のコントロールができず、自分でもおかしいと思う人は病院受診をおすすめします。

通院の結果、病気でなければ怒りを収める方法を知るのが効果的です。

気持ちも穏やかになり、子供に対して感情的に怒ることが減るでしょう。
この記事を参考に、怒りの原因に対処してくださいね。

CONTACT 掲載に関するお問い合わせ

まなびち公式SNS