毒親の特徴とは?毒親になる原因とならない方法・対処法も徹底解説

最近「毒親」という表現を聞く機会が増えました。

ドラマや漫画で取り上げられたり、SNSでも毒親育ちの体験談などが話題になったりしています。

  • 毒親ってどんな特徴があるの?
  • 自分が毒親だと気づいたらどうすればいいの?

上記のような疑問や不安を抱く人もいるのではないでしょうか。

この記事では、毒親の特徴やなってしまう背景を徹底解説します。

毒親にならないためのポイントや、自分も毒親だと気づいた時の対処法も紹介。

毒親の特徴について知りたい人は最後までご覧ください。

毒親とはどんな親?

毒親は、子どもに対し肉体的、精神的、金銭的に苦痛を与えます

子どもの発達に害を与えるような接し方をするのが特徴です。

最近の言葉だと思われがちですが、30年以上前に登場しています。
1989年、スーザン・フォワード著作の本「毒になる親」で「毒親」という表現が使われました。

毒親が子どもに行う行為はさまざまあり、レベルも違います。

児童相談所に通報されるような虐待行為なら発見されやすいですが、軽い暴言やネグレクトなどは周りに分かりにくいでしょう。

最近では、チャイルドホットラインなど、子ども自身が相談できる場所も増えています

毒親に育てられた体験をSNSで発信する人も増え、特徴がだいぶ明らかになってきました。

参考書籍:毒になる親 一生苦しむ子供
参考サイト:チャイルドホットライン年次報告2022

毒親の特徴4つ

毒親は、具体的にどんな行為をして子どもに害を与えるのでしょうか。

ここでは毒親の主な特徴を4つにまとめ、分かりやすく解説します。

  • 子どもへの過干渉・過保護
  • 子どもの放置・無関心
  • 子どもへの心理攻撃・呪縛
  • 子どもへの暴力

子どもへの過干渉・過保護

毒親のパターンとして、子どもへの過干渉や過保護が挙げられます。

子どもに対し親の意見を押し付け、思い通りにさせないのが特徴です。

毒親や子どもに対し、細かいことまで口うるさく言い続けます。
子どものやりたいことがあっても制限をかけることも。

友達付き合いや進学、就職、結婚にまで口を出し続け、思い通りに動かないと子どもを責め立てるケースもあります。

子どもの放置・無関心

子どもを放置し、子育てに無関心なのも毒親の一種です。

ネグレクトとも呼ばれ、子どもに興味を示さないのが特徴です。

普通の家庭なら子どもにご飯を食べさせ、洗濯した洋服を着せ、規則正しい生活をさせるでしょう。

子どもの成長を願っている親なら当たり前の行動です。

しかし、毒親の中には子育てや教育にほとんど関心を示さないタイプもいます。
朝ごはんの用意もなく、洋服も適当に置かれたままのことも。
生活リズムも崩れ、子どもの健康状態が悪化する恐れがあります。

放課後に子どもが放置され、よそのうちに行き迷惑をかけてしまう「放置子」も、無関心な毒親育ちかもしれません。

子どもへの心理攻撃・呪縛

毒親の中には、言葉での心理攻撃や呪縛を与えるタイプも存在します。

子どもに暴言を吐いたり、縛り付けるような発言をしたりするのが特徴です。

このタイプは子どもの人格を否定するような暴言を吐きます。
「お前はバカだ」「あなたにできるわけがない」などと、とにかく子どもを否定するような言葉を言い続けます。
子どもが反論しようものなら、話を聞かず怒り続ける毒親も。

また、恩着せがましい物言いで子どもの心を縛り付ける毒親もいます。

「あなたが心配だから」と、良い親を演じながらも子どもの行動を制限することも。
大人になっても続き、子どもが就職や結婚などで離れていくことを嫌がります。

子どもへの暴力

子どもに対して暴力をふるう、ひどい毒親もいます。
思い通りにならない子どもに手を出してしまうのが特徴です。

虐待する毒親は、見えない部分を狙って暴力をふるう傾向があります。

洋服で隠れる腹部などをつねったりたたいたりするケースも。
園や学校などの身体測定時に、不審なあざが見つかり発覚する場合もあります。

児童相談所によると、虐待による死亡事例は年間50件以上あると報告されています。
暴力タイプは、子どもの命を奪いかねない危険な毒親と言えるでしょう。

参考サイト:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)の概要

親自身が毒親になる背景4つ

毒親になってしまう親には、親自身の育ちや環境が影響する場合もあります。

ここでは、毒親になってしまう背景を4つ紹介します。

  • 親自身も毒親に育てられた
  • 親自身が精神疾患など問題を抱えている
  • 夫婦仲がうまくいっていない
  • もともと人間関係が苦手

親自身も毒親に育てられた

毒親自身も、毒親育ちである場合が多いです。
アダルトチルドレン、機能不全家庭で育ったなどが原因です。

毒親になってしまうのは、普通の家庭を知らないためです。

結婚してパートナーのフォローを受けながら育児をするなど「他の家はこうなんだ」と気づける人は毒親になりません。

しかし、サポートを受けられず、どう育てていいか分からない場合も。

正解が分からないストレスから、自分が子ども時代に受けた行為をしてしまう親もいるのです。

親自身が精神疾患など問題を抱えている

親自身が精神疾患などの問題を抱えているのも、毒親を生み出す背景です。

もともと持っていた心の病気が、子育てに悪影響を及ぼすためです。

例えば、うつ病にかかると不眠や不安、体が動かないなどの症状が現れます。

子育てへの気力もなくなり、子どもを放置してしまうことも。
ホルモンバランスの変化で産後うつになり、子どもができてからうつ状態になる場合もあります。

夫婦仲がうまくいっていない

夫婦仲が悪いのも毒親を生み出す原因です。

協力して子育てができないため、子どもに当たってしまう場合があるためです。

毒親育ちは、子育てで困っても親のサポートを受けにくいものです。
パートナーが仕事で忙しい場合などは1人で育てなければなりません。

思い通りにならない子育てに、イライラして子どもに毒を与えてしまうのです。

もともと人間関係が苦手

人間関係の苦手さから、毒親になってしまう場合もあります。

子育ても人間関係の一種です。
人間関係を築くのが苦手な人は、子どもとのコミュニケーションがうまくとれない場合も。

しかもずっと一緒にいなければならずストレスがたまり、毒親になってしまうケースも考えられます。

毒親にならないためのポイント4選

毒親にならないためには自分と子ども、どちらも大切にしなければなりません。

ここでは、毒親にならないためのポイントを4つ紹介します。

  • 自分自身を大切にする
  • 子どもと自分を切り離して考える
  • 自主性を重んじる
  • 成長に合わせて手を放す

自分自身を大切にする

毒親にならないため、まずは自分自身を大切にしましょう。

子どものことを大事にするには自分を大事にできなければなりません。

おすすめは子どもと離れた自分の時間を持つことです。
子どもと一緒に過ごす時間と、自分の時間のメリハリをつけるとよいでしょう。

一時保育などに預けてのんびり過ごすなど、気分転換をこころがけましょう。

子どもと自分を切り離して考える

子どもと自分を切り離して考えると毒親になりにくくなります。

毒親には子どもに依存しすぎて、必要以上に束縛してしまう特徴もあります。

親子と言えど他人です。親が思ったとおりに子どもを動かすのは無理があります。
子どもと自分は違う人間という意識を持って接すると毒親化を防げるでしょう。

自主性を重んじる

毒親になるのを防ぐためには、子どもの自主性を重んじましょう。

子どもは親の所有物ではないためです。

毒親は、子どもに考えを押し付けたり全く興味を示さなかったりしがちです。

もし、そのような接し方をしてしまったら、子どもの考えを大事にするよう心がけましょう。

成長に合わせて手を放す

親は子どもの成長に応じて、だんだん手を放していくと毒親化せずに済みます。

過干渉せず子どもの自立を見守りましょう。

思春期に入ると親の言うことを聞かなくなる子も多いです。
口答えする子どもに、ついイライラしがちですが、ここでうるさく言うと毒親になってしまう恐れも。

思春期は大人になるために必要な時期です。

自立へのスタートが始まっていると好意的に受け取り、だんだん手を放していきましょう。

自分が毒親だと気づいた時の対処法6つ

もし、自分に毒親の傾向があると気づいた場合、これからやり直せるかもしれません。

早く対処すれば親子関係を改善できるでしょう。

ここでは、毒親だと気づいた時の対処法6つについてまとめました。

  • 自分自身の問題点に気づく
  • 子育て相談を利用する
  • カウンセリングを受ける
  • 自助グループに参加する
  • 病院に相談する
  • 子どもと物理的に離れる

自分自身の問題点に気づく

まず、毒親になってしまったのは親自身の問題だと気づくことが大切です。

子どもに悪影響を与えるのは、子どもが原因でないパターンもあるためです。

子どもに毒を与えてしまうのは、親自身が別の問題を抱えているせいかもしれません。

本当の問題は何かをつきとめないと、毒親の改善は難しいでしょう。

何が原因なのかを知るのは、毒親脱却の第一歩です。

子育て相談を利用する

子どもに対し毒親だと感じたら、自治体などの子育て相談を活用してみましょう。

自分の気持ちを吐き出す場があると気持ちが落ち着きます。

自分が毒親であることを身近な人には話しにくいもの。
子育て相談ダイヤルや子育て支援センターの職員など、第三者のほうが言いやすいです。

話すことで自分の気持ちが整理される効果もあります。
毒親の特徴が自分にあると感じたら相談してみるとよいでしょう。

カウンセリングを受ける

毒親を疑って悩んでいるなら、カウンセリングを受けるのも1つの手です。
自分では解決できない問題でも、専門家に話すことで気持ちが楽になります。

身近なら、子どもが通う学校のスクールカウンセラーに相談可能です。

子どもへの対応方法なども相談できます。
病院や民間のカウンセリングも利用はできます。

保険適用外の場合もあるので確認しましょう。

参考サイト:文部科学省 スクールカウンセラーについて

自助グループに参加する

アダルトチルドレンや毒親育ちで自分も毒親になりそうな場合、自助グループに参加するのもおすすめです。

共感やアドバイスをもらえ、気持ちが楽になります。

身近にあるコミュニティに参加するのもいいですし、ネット上のコミュニティに参加してもいいでしょう。

同じ境遇の人と話すことで、得られる気づきもあるはずです。

参考サイト:ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)

病院に相談する

子どもに害を与える行為がやめられず、薬物治療が必要なほど精神的に大変なら病院受診をおすすめします。

精神面に影響が出る病気は色々あります。
まずは身体の病気がないかチェックし、異常なければ心療内科や精神科などを受診しましょう。

薬物療法で心身が楽になれば、子育てに余裕が出るでしょう。

子どもと物理的に離れる

子どもに対しひどく接してしまうようなら、子どもと一時的に離れるのも1つの方法です。

頼れる場所に子どもを預け、距離を取ると落ち着ける場合もあります。

頼れる人がいない場合は、自治体の相談窓口や児童相談所など、いろんな場所に相談してみましょう。

まとめ:毒親の特徴を知り自分の行動を振り返ることが大事

毒親の特徴は、過干渉や無関心など、さまざまなタイプに分類されます。

共通しているのは子どもに毒を与えてしまう点です。

もし、自分に毒親の傾向があると感じたら、色々な人に相談することをおすすめします。
必ず手を差し伸べてくれる人がいるはずです。

自分と子どもを救うため、この記事を参考にアクションを起こしてみてくださいね。

毒親の大半は「自分は毒親かも」という疑問さえ抱きません。「この子のためにやっている」「この子が聞き分けないから」「ワンオペ育児のせい」などと環境や子供に責任を押し付けます。毒親かもと不安なら、医師やカウンセラーなどの専門家、児童相談所や身近な人に頼ることは恥ずかしいことではありません。毒親の影響で一生子供が苦しまないように早めに対処していきましょう。あなたも子供も幸せに生きていけます。

監修・コメントをいただいた専門家

芙和せら(ふわせら)

一般社団法人<芙和せら>心理研究所所長

公認心理師、芸術療法士、シニア産業カウンセラー、チャイルドセラピスト、子ども花育セラピストなどの資格をもち、親子関係や子育て、発達障害などの心理カウンセリングを行っています。
また、あわせて<キッズベリー花育ラボ>を展開し子供の育脳や豊かな育ちに役立つ<花育>も実施中。子育てのお悩みなどお気軽にご相談ください。

キッズベリー花育ラボHP:https://hanaiku-labo.com/

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