子どもの偏食、いつまで続くの?おすすめ対策を管理栄養士が解説

子育てに奮闘する中で、子どもの「偏食」に悩んだことのあるママ・パパは少なくないはず!

偏食によって食べられる食材が限られてしまうと、食事の準備も憂鬱になってしまいますね。
特に、「いつまで続くんだろう?」と不安に思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

偏った食事では、栄養が足りているのかも心配ですよね。

本記事では、管理栄養士ママが自身の子育て経験を交えながら、おすすめの対策をご紹介します!

\この記事を書いたのは/

●ババアさん
5歳児を育てながら、漫画を描いたり管理栄養士としての仕事をしています!
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そもそも、なぜ子どもは偏食になってしまうの?

子どもが偏食だと、ママやパパはついつい「私が作る料理が美味しくないから?」と落ち込んでしまいがちですが、基本的に子どもの偏食は珍しいことではありません。

むしろ、離乳食や幼児食を教科書通りに食べられるようになって、好き嫌いもない…という子どもの方が珍しいのでは?と思うほど、子育てには食事の悩みがつきものです。

そもそも、子どもはなぜ偏食になってしまうのでしょうか。

  • 食べたことがない(食経験がない)ものに対しては、本能的に慎重になってしまう。
  • 酸味は腐敗、苦味は毒…といったように、危険なものを避けるためにそれらの味を嫌がることがある。
  • まだ上手に噛んだり飲み込んだりできず、食材によっては食べにくさを感じやすい。
  • 口の中での感触に敏感で、ぐにゃぐにゃした食べ物などを苦手に感じやすい。

子どもの偏食にはこれらの原因が挙げられます。
確かに、私たち大人は苦いコーヒーを美味しいと感じて飲んでいますが、自然界では苦味のある食材には毒があるものも多いはず。

「この食品は安全だ」と分かっているからこそ食べたり飲んだりできるのであり、本能的に判断している子どもにとっては難しいと言えますね。

また、歯が生え揃ってきても、噛んだり飲み込んだりする能力は子どもによってばらつきがあり、ママやパパが思っている以上に食べづらさを感じる食材は多いもの。

いずれの原因も成長にしたがって少しずつ解消されるものではありますが、そのスピードは子どもによってさまざまでしょう。

子どもの偏食、いつまで続くの!?

それでは、子どもの偏食はいつまで続くものでしょうか?

管理栄養士として子どもの偏食を見ていると、「いつまで続くか」という疑問に対する答えは「個人差が大きい」としか言えない場面も多く、同じ家庭で育ったきょうだいでも全く異なるケースがあったりします。

  • 保育園や幼稚園の入園にともない、他の子どもがごはんを食べる様子に影響を受けて少しずつ食べられる食材が増えた
  • 親子で一緒に料理をするようになり、自分で作ったものは進んで食べるようになった
  • 絵本や図鑑などで食材について興味を持つようになり、食べられるものが増えてきた

…などの体験談はよく耳にしますが、これもまた個人差が大きいもので、必ず何歳までにそうなる、と言い切れるものではありません。

とはいえ、小さいうちは「食べられなくてもいいよ」といった対応ができても、大きくなるにつれそのままでいいのかな?と不安になるママやパパも多いですよね。

偏食は子どものうちに、なるべく早く直すべきことなのでしょうか。

子どもの偏食は早めに直すべき?

もちろん、いろいろな食材をまんべんなく食べられるに越したことはありません。

しかし、特定の食材が食べられないからといって、栄養素が完全に不足してしまうということはなく、他の食材で補えるものも多くあります。

  • 魚が苦手…肉や豆製品、卵からもたんぱく質が摂取できる
  • にんじんが苦手…同じ緑黄色野菜のブロッコリーからビタミンなどを摂取できる

といったように、苦手な食材があっても、それと同じグループの食材から同様の栄養素を摂取することはできるでしょう。

また、学校給食では「給食を残す児童を叱る」といった場面は減ってきているという声もあり、 児童の要望に応じて給食の量を増やしたり減らしたりしてから食事を始めるというクラスも多くあります。

アレルギーなどを防ぐ観点からも、「無理やり食べさせる」という場面は親世代の頃からすれば減っていることかと思います。

そのため、無理に偏食を急いで直そうとするのではなく、食事を楽しみながら、子どものペースに合わせて進めるのが良いでしょう。

管理栄養士おすすめ偏食対策!

ここでは、管理栄養士ママが実際に子どもと取り組んできた偏食対策をご紹介します。

  • 外で食べてみる…同じ食事でも、弁当箱に入れて外で食べるだけで普段よりも美味しく感じる場合があります。
  • 揚げてみる…食感が苦手になりがちな食材(ナスなど)は、天ぷらやフライにすると意外と食べてくれることも。
  • 味付けを変えてみる…カレー風味やケチャップ味など、子どもが好む味付けで食材を調理してみる。
  • 型抜きしてみる…星やハートなどの小さめの型で茹でた野菜を型抜きする。お弁当のときなどにも。
  • 家庭菜園を一緒に取り組む…トマト、ネギなどは比較的簡単にプランターでも栽培でき、愛着が沸いて食べられたという経験も。
  • 一緒に料理をする…包丁を使えない年齢でも、レタスをちぎるなどの作業は参加しやすい。
  • 食材や料理関係の絵本や図鑑を取り入れる…絵本に出てくるメニューを再現してみるのもおすすめです。

大切なのは「無理して食べさせない」こと

子どもの偏食を直したい!という気持ちから、ついつい無理に食べるように勧めてしまいそうになることも多いものですね。

特に、自分が作った料理だと「せっかく作ったのに!」という気持ちもあり、どうにか食べてくれないかと悩んでしまいがちです。

しかし、無理強いをすることで食事の時間自体が苦手になってしまう可能性もあり、注意が必要です。

  • お惣菜など既製品を活用する…「せっかく作ったのに!」とイライラするのを防ぐ
  • 苦手な食材は数を絞る…食事を楽しめるよう、好きな食材を多めにするなどの対策を

子どもと親、両方にとって食事の時間が辛いものになってしまわないよう、無理せず取り組んでいきたいですね。

こどもに好き嫌いがあることは個性ですから問題ありません。
大切なことは、ひとくちは食べさせることです。
口から入ったものに対する免疫反応は起こらないシステムがあります。
経口免疫と呼ばれます。

幼少期にこの経口免疫を獲得しないとアレルギー体質になります。
全部食べることはひつようではなくいろいろなものを食することがアレルギーの防止には有効です。
上手に「ひとくちは食べてね」と言い添えて子育てを楽しみましょう。

監修・コメントをいただいた専門家

新見正則医院 院長

1985年慶應義塾大学医学部卒業
オックスフォード大学医学博士

2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。

現在は世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」も参考にしてください。

新見正則医院HP:https://niimimasanori.com/

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