【スイスで子育てVol.2】スイス・チューリッヒの教育システムについて解説

読者の皆さん、こんにちは。

スイスで子育てをしているアルパガウスです。

今回は「日本とスイスの小学校の違い」について解説していきます。

\この記事を書いたのは/

アルパガウスさん
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低人数制のクラス

息子の通うスイスの小学校は、1クラス22人。(2022年3月時点)

私が小学生だった頃は、クラスに40人ほどの生徒がいたので、少ない方ですよね!それもそのはず。

現在、私たちが住んでいるチューリッヒ郊外の人口は10,019人。(2020年12月時点)

しかし、この町には小学校が3校もあるのです。

これには驚きました。

「近距離に学校が3校あるって、子どもが多いんだろうか?」と思いましたが、スイスの教育システムは違うようです。

スイスの小学校システム

スイスの小学校は、日本と違い1年生から3年生まで、同じ担任の先生とクラスメイトで過ごします。

そして、4年生になるとクラス替えがあり、再び3年間一緒に過ごします。

クラス替えといっても、1学年2クラス間で行われるのでほとんどの子が顔見知りの友達ばかりです。(ドイツ語圏の場合)

バディ制度

1年生から3年生の間は、上級生がバディとして1人付きます。

【スイスドイツ語では、Goetti-Gotti (グゥッティ・ゴッティ)制度と呼びます】

例えば、学校でフリーマーケットを開催した時に、バディ役として一緒に過ごしたり、校内で何か催し物があると一緒に行動するそうです。

私が良いと思った点は、上級生が低学年の面倒を見ることで「自分よりも幼いものを守る気持ち」や「誰かのために行動する喜び」が感じられるところです。

また、上級生の行動をお手本にできるという点もいいですよね。

この制度は、さらに子ども達の心の成長にも大きな影響を与えてくれるのではないかと感じています。

ウサギ組とハリネズミ組

かわいいグループ名ですよね。

実はスイスの小学校では、1クラスが 2グループに分かれています。

ウサギ組とハリネズミ組に分かれ、時間割も少しだけ異なります。

2年生の頃の時間割を例にあげると、ウサギ組は金曜日の午後は授業がなく、ハリネズミ組は火曜日の午後がお休みでした。

ですので、火曜日と金曜日の午後は、担任の先生1人に対して生徒が10名程。

これは、3年生になっても同じです。

【時間割表】

時間割表もとてもシンプル。

正直、息子からどんな授業を受けているのか聞かない限り、授業内容がわからないという欠点はありますが、時間割表の下の部分に、算数、音楽、ドイツ語、文化、社会科など、さまざまな教科が書かれています。

学校での過ごし方

学校の始業時間は、8時20分。

1時間目:8時20分から9時05分

2時間目:9時10分から9時55分

ここで、おやつ休憩(30分)が入ります。

休憩時間は、外に出ておやつを食べたり遊んだり、お友達と自由に過ごす時間。

30分の休憩時間が終わると、再び3時間目が始まります。

3時間目:10時25分から11時10分

4時間目:11時15分から12時

このような時間割で子ども達が学校生活を送っています。

30分の休憩時間

スイスドイツ語で、午前中のおやつを「ツニュニ(Znüni)」といいます

これは、小学校だけではなく幼稚園でもおなじです。

幼稚園の頃は、甘いおやつは基本的に禁止。

なるべくシンプルで健康的なおやつを持参するように!と、先生に伝えられました。

小学生の場合は、個人の自由なので我が家では、りんご、ミニトマト、きゅうり、ブルーベリー、みかんなどフルーツをメインで持たせています。

日本の夏のように猛暑になることが少ないスイスですが、夏の暑い日は、クラッカーや人参などを持たせています。

我が家の常備お菓子

・Dar-Vida

ハイキング時にのおやつにも人気

https://www.darvida.ch/nc/de/produkte/gesamtuebersicht/

 

・コーンワッフル

日本人ママの間でも人気スナック

https://shop.migros.ch/de/direct/product/6764086

 

・クノパース(Knoppers)

ウエハースがサクサクで美味しいドイツ菓子

https://www.knoppers.com/

チューリッヒ州の公式サイトでは、おすすめのおやつリストが見られます。

参考までにご覧ください。

https://www.stadt-zuerich.ch/ssd/de/index/gesundheit_und_praevention/schularzt/ernaehrung/ernaehrungs-tipps.html

昼食時は自宅に帰る

帰りのあいさつが終わると、いったん全生徒が学校の外へ出ます。

ほとんどの小学生は自宅に帰りますが、両親が働いていて家に誰もいない場合は、有料の「ミッターグステッシュ(Mittagstisch)」で、昼食が取れます。

スイスには全日制の学校が少ないため、学校で昼食を取るシステムがありません。

その為、ミッターグステッシュを利用する子どもが多くいます。

場所も学校内なので、ミッターグステッシュを利用している子ども達は、昼食後、学校の敷地内で過ごすことになります。

※ミッターグスティシュとは、家に帰れない子ども達が昼食を取ったり、学校が終わった後も大人の監視下で過ごせる場所。

有料ですが、働くママ・パパさんたちの負担を減らしてくれる場所でもあります。

12時から13時30分までの預かりの場合、16フラン(約2,070円)、週に1回預けるだけでも、毎月64フラン(約8,280円)の費用がかかります。

【料金表】

出典:https://www.schuleurdorf.ch/web/cms.php?open=mittagstisch

 

昼食が済んだら、13時35分までに再び学校へ戻ります。

このシステムに慣れていなかった私は、息子が小学1年生になった当初、あまり遠くには出かけられませんでした。

「もし、お昼の時間までに帰ってこられなかったらどうしよう~」

「トラブルに巻き込まれたら、12時前までに家にたどり着けないかも・・・」

そんなことを考えたら、公共機関を利用しての外出ができず、息子が登校してから、朝からやっていたことといえば、掃除、洗濯、近所への買い物程度。

今では行動範囲も広くなり、ママ友と会う時間も確保できるようになりました。

好きに休める日「ジョーカーターク」

チューリッヒ州の小学校は、年間の休暇が13週間です。

その他に「ジョーカーターク」が2日間あります。

ジョーカー?って、なんだか怖い響き・・・私も、どんな休みなんだろうと思いましたが、この2日の休みは個人が自由に、特別な理由がなく休める日なのです。

面白いシステムですよね。

例えば、親族の誕生日にお出かけするから休みをとるとか、日本へ帰る際に2日早く学校をお休みするなど、個人的な理由で休める日なのです。

まとめ

いかがでしたか。今回は、スイス・チューリッヒ州の小学校について解説しました。

クラス替えが6年間のうち、1回だけしかないことや昼食時間は自宅に帰ること、Goetti-Gotti 制度があること、日本の小学校と比較してみると、驚くことが沢山ありますよね。

スイスと日本の価値観の違いにびっくりすることも多々ありますが、いろいろな価値観を共有して、子育てに役立ててみてくださいね。

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