睡眠と成長ホルモンの関係性は?ゴールデンタイムに睡眠を取ることの効果や睡眠不足が与える影響について解説

成長ホルモンには主に身体の器官を成長させたり、免疫機能や精神的な健康を保ったりする働きがあります。

思春期から10代の間に一番多く分泌され、骨を強くする、筋肉量を増やすといった大切な役割を担っています。

「寝る子は育つ」と昔から言われているように、睡眠と成長ホルモンの分泌には深い関係があります。
また、成長ホルモンは大人の身体にも影響を及ぼします。
子供に与える影響との違いも解説するので、参考にしてみてください。

睡眠と成長ホルモンの関係

成長ホルモンは特定の時間に分泌されるという説がありますが、事実でしょうか。

  • そもそも睡眠のゴールデンタイムとは
  • 成長ホルモンが最も分泌されるタイミング
  • 子供の成長に最低限必要な睡眠時間

上記の3点について解説します。

そもそも睡眠のゴールデンタイムとは

睡眠のゴールデンタイムとは、午後10時から午前2時の時間帯を指します。
この時間帯に成長ホルモンが分泌されるので、ゴールデンタイムに睡眠を取ることが健康や美肌に良いと言われています。

しかし、このゴールデンタイムに関する認識は誤解です。
確かに成長ホルモンが分泌されるのは睡眠中ですが、時間帯とは直接関係はありません。
重要なポイントは、睡眠開始直後に深い睡眠であるノンレム睡眠の状態に入ることだと分かっています。

何時から寝ようとも、睡眠後すぐにノンレム睡眠に入れば成長ホルモンは分泌されます。
しかし、午後10時から寝たとしても、浅い眠りであれば、成長ホルモンは十分に分泌されません。
つまり「睡眠のゴールデンタイム」とは、睡眠直後のノンレム睡眠に入っているときを指します。

成長ホルモンが最も分泌されるタイミング

深い睡眠の間に成長ホルモンがもっとも多く分泌されます。

そして、成長ホルモンを適切に分泌するためには、メジャースリープという睡眠のリズムを維持しなければなりません。

メジャースリープでは、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に90分間ずつ訪れます。
睡眠開始からの3時間程度の間に深いノンレム睡眠に入り、このとき成長ホルモンの分泌がもっとも多くなります。

レム睡眠

脳は覚醒している状態

主に身体を休める

ノンレム睡眠

深い睡眠状態

脳も身体も休める、特に睡眠開始直後の3時間で現れる

引用:ナショナルジオグラフィック「健やかな睡眠のカギを握る「メジャースリープ」とは」

メジャースリープを維持するには、まとまった時間でしっかり眠ることが大切です。
なぜなら短時間の睡眠では、深いノンレム睡眠に入ることができないからです。

そうすると睡眠の質が低下し、成長ホルモンの分泌が減少してしまいます。

子供の成長に最低限必要な睡眠時間は何時間?

年齢によって必要とされている睡眠時間は異なります。
文部科学省の「中高生を中心とした生活習慣づくりに関する検討委員会」によると、年齢別の必要な睡眠時間の目安は以下の通りです。

3歳

12時間

5歳

11時間

9歳

10時間

11歳

9時間30分

15歳

8時間45分

17歳

8時間15分

また、大人に最低限必要な睡眠時間は7時間程度と言われています。
上表を参考に、家族の睡眠時間について見直してみてください。

引用:SUNSTAR「睡眠のゴールデンタイムとは?成長ホルモン分泌のための睡眠方法」

上図が示す通り、成長ホルモンは最初の3時間のノンレム睡眠でもっとも多く分泌されます。
しっかりと成長ホルモンが分泌されるよう、年齢に応じたまとまった睡眠時間を確保しましょう。

睡眠中の成長ホルモンが身体へ及ぼす効果

睡眠中の成長ホルモンは、身体の成長や回復に効果をもたらしますが、大人と子供では成長ホルモンの効果に違いがあるのでしょうか。

  • 子供の場合
  • 大人の場合

この2つについて、以下解説します。

子供の場合

成長ホルモンが子供の身体に及ぼす効果は主に以下の3つです。

  • 新陳代謝を高める
  • 筋肉を増強する
  • 骨を形成・成長させる

新陳代謝が高まると、傷ついた細胞が修復されます。

そして成長期になると特に、筋肉が増えていきます。
この時期に成長ホルモンの分泌が不十分だと、見た目は太っていないのに触るとやわらかい身体になってしまいます。

また、一定の年齢になると骨の成長は止まるので、子供の時期に正しく成長ホルモンが分泌されることが大切です。

子供の頃は骨格形成など、身体の器官が成長する時期です。
睡眠時の成長ホルモンは、子供の身体を形作るための重要な役割を担っています。

大人の場合

大人の場合、成長ホルモンは主に下記のような効果があります。

  • 心身の疲れやストレスを解放
  • 身体組織の修復
  • 代謝を促す

大人の場合も成長ホルモンは心身の健康を保つ効果があります。
また成長ホルモンは組織の修復をするアンチエイジング効果があるため、「若返りホルモン」とも呼ばれています。

つまり美しい肌を保てるので、特に女性に注目されています。

また、糖を分解して代謝を促すのでダイエットの助けにもなります。
ただ成長ホルモンは加齢とともに分泌量が減少するため、大人にとってもメジャースリープを維持した睡眠を意識することは重要です。

睡眠不足が体にもたらす悪影響

睡眠不足が慢性化するとホルモンの分泌が乱れ、身体に不調が現れます。
また、自律神経にも影響し、心の健康まで損なうことにつながります。

子供の成長が阻害されることや生活習慣病になりやすくなるなどの悪影響が起きます。
成長ホルモンだけでなく食欲を抑えるホルモンも減少させ、体重増加やメタボリックシンドロームを招きます。

さらに、血糖値を上昇させる物質の過剰分泌を引き起こし、糖尿病になるリスクが高まります。
そのうえ交感神経が刺激され続け、高血圧になってしまいます。

その他、子供の学習にも支障をきたします。
睡眠不足の子供は記憶力、集中力、感情コントロールなどの脳機能が阻害されてしまうからです。

睡眠不足が続くとすぐにキレたり、意欲がわかなくなったりします。
引用:一般財団法人 京都工場保健会 保健指導「睡眠と食欲の関係」

成長ホルモンの分泌を促す睡眠のためにできること

子供の健やかな成長には、適切な成長ホルモンの分泌が不可欠です。

そのために気をつけるべきポイントは3つあります。

  • 寝起きの時間を定める
  • 日中に適度な運動をする
  • 寝る前に携帯電話を触らない

以下、詳しく解説します。

寝起きの時間を定める

寝る時間と起きる時間はだいたい同じになるようにしましょう。
そうすることで睡眠のサイクルができ、睡眠の質を高めることができます。

文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」では、毎日ほぼ同じ時間に寝起きする子供の方が、学力調査の正答率が高いことが報告されています。

例えば「8時になったら歯磨きし、明日の準備をして、着ていく服を選んでからふとんに入る」など、寝る前のルーティーンを決めましょう。

習慣化すれば寝る時間を定着させることができます。

日中に適度な運動をする

運動する習慣のある人の方が不眠に悩むことが少ないと言われています。
軽く運動した日は寝つきが良いと感じたことがある方も多いでしょう。

特に、適度な運動習慣は深い眠りを促し、睡眠中の中途覚醒を防ぐと言われています。

激しい運動や就寝前のタイミングでの運動は、逆に眠りを妨げます。
具体的には、ウォーキングや軽いランニング程度の有酸素運動か、軽い筋トレやストレッチ程度の無酸素運動を習慣にするのが良いでしょう。
引用:SUNSTAR 健康道場「運動は睡眠の質を上げ、成長ホルモンの分泌をアップ!」

寝る前に携帯電話等を触らない

就寝前にスマートフォンを使うことも眠りを妨げます。

電子機器が発するブルーライトを浴びることで、交感神経が刺激されて脳が覚醒状態になってしまうからです。
少なくとも就寝の1時間前からは、使用しないようにしましょう。

また、部屋の照明も明るすぎると寝つきが悪くなるので早めに部屋を暗くすることをおすすめします。
スマートフォンやゲームなどの使用について、家庭で話し合ってルールを決めると良いでしょう。

まとめ:睡眠と成長ホルモンの関係

十分な成長ホルモンの分泌がなければ、大人も子供も健康を損なってしまいます。

そうならないためには入眠直後の深いノンレム睡眠と、メジャースリープのリズムを保つことが大切です。

子供の成長と健康には正しい睡眠のサイクルが必要不可欠です。
規則正しい睡眠生活を目指して、家族でルールを決めて取り組んでみてください。

入眠後の3時間でノンレム睡眠に入るためにも、大人が率先して行動し、子供が就寝しやすい雰囲気を作ってあげましょう。

CONTACT 掲載に関するお問い合わせ

まなびち公式SNS