体験談|30泊31日サマーキャンプに参加した話①

こんにちは。滋賀県琵琶湖の自然体験施設BSCウォータースポーツセンターのキャンプディレクターのたつやです。


数年前、自動車メーカーのホンダ主催の30泊31日のサマーキャンプがテレビやネットで取り上げられ、非常に有名になりました。
BSCウォータースポーツセンターでも、30年以上、小学生を対象としたサマーキャンプを行なっています。
ただ、最も長いコースでも2週間のものです。
他の会社さんがやられているキャンプではありますが、非常にエキサイティングな内容で私もワクワクします。

実は私も、小学生時代に30泊31日のサマーキャンプに参加したことがあります
約20年前の話になりますし、現在のホンダさん主催のものではないキャンプでした。

 BSCキャンプリピーターの保護者様、これから参加を検討している保護者の皆さんに、どういう人がBSCキャンプを運営しているのか知っていただければと思い、当時のお話をさせていただきます。

 30泊31日サマーキャンプとの出会い

「夏休みの1ヶ月間、キャンプに行ってみない?」
1999年、私が小学校4年生の時、父親からそう言われました。

え、1ヶ月って長くね?と、返事に悩んでいると、
「まー、このキャンプは抽選やから行けないかもしれないし、一応応募だけしとこう」と父から提案されたので、それならいいか。と思い、OKしました。

詳しく話を聞いてみると、山梨県の山の中で、全国の小学4年生〜中学3年生が対象の30泊31日キャンプというものがあるとのことでした。1998年に初めて開催され、今年が2回目の開催。

数日経って、父親に
「やったやん、当選したで!!行くやろ?」と言われたので、「それやったら行くわ。」と、キャンプの参加が決まりました。のちのち父親に聞いてみると、「ああいう風に伝えたら、多分行くと思った。」といわれ、「抽選じゃなかったんか!!」と、騙されていたことを知るのですが。

 このキャンプは、山梨県長坂町(現北杜市)にある、国際自然大学校(NOTS)日野春校にて夏休みに開催された「長期自然体験村」。
私が参加した1999年で第2回目の開催

 初めて生で聞いた標準語

キャンプでは、4年生の僕が最年少で、全国から20人ほどの小・中学生が集まっていました。
地元の滋賀県から遠く離れた山梨県。
そこには当然、学校の友達もいないし、滋賀県からの参加者もいません
関西からの参加者は2人だけ。

母親と一緒に現地まで行き、到着したらそこで1ヶ月のお別れです。
楽しみ半分、不安半分といった感じでした。

キャンプ初日、人生で初めて、生の標準語を聞くことになります。
当然地元の小学校にも、通っていた塾にも標準語を喋る人は1人もいなかったので、「こ、これが東京弁か・・・!」と、心臓がドクドク鳴ったのを覚えています。
そんなことも、当時の私にとっては、普通では味わえない非日常体験でした。

サマーキャンプ31日間のプログラム

30泊31日キャンプでは、多くのプログラムが用意されていました。

  1. キャンプのルール作り
  2. 毎日、自分たちで食材調達と食事作り
  3. アウトドアクッキング
  4. 農作業
  5. 民泊体験・・・近所のお家に1泊させてもらい、畑仕事のお手伝い
  6. ツリーハウス作り
  7. ビバーク・・・りんご1つ、チョコ1欠片、水500mlで、1泊2日を一人で過ごす
  8. 川下り、川遊び
  9. ウォールクライミング・・・10mのクライミング用の壁と4mのただの壁を登る
  10. 1泊2日のサイクルツアー35km
  11. 八ヶ岳縦走登山・・・山小屋で3泊4日しながら、最終ゴールの八ヶ岳最高峰にアタック

など、野外体験だけではなく、日々の生活ルールを自分たちで決めたり、食事の当番を決めて、実際に朝、晩の食事を作っていました。(昼食だけ作ってもらえる)

もちろん食事作りは、大人のコーチたちと一緒にしていましたが、子供たちは20人だけなので、結構な頻度で当番が回ってき、自分なりに頑張っていたつもりです。
それまで、料理なんてしたこともなく、このキャンプで色々やらせてもらったおかげで、今でも料理には少し自信があります。

サイクルツアー写真(前列右から2番目、赤い星のTシャツを着ているのが私です)

1泊2日を山に一人だけで過ごす「ビバーク」

今回は数多くのプログラムの中から、ビバークについてお話しようと思います
このプログラムは、1ヶ月のキャンプ期間のちょうど真ん中あたりにありました。

目的は、自然の中で、自分と見つめ合うこと。

ビバークのルール

  • 決められた場所から動かない
  • 声を出さない
  • 寝床は自分で準備
  • コーチが迎えに来るまで、終わらない
  • 時計は持っていかない

渡されたのは、ロープ2本と、ブルーシート、寝袋、食料のりんご1個、板チョコ、水500mlのみ

参加者は一人ずつ、コーチに連れられてキャンプ場のある山の中に向かい、他の子供達が見えないところで1泊を過ごすのだ。
私の連れて行かれた場所は、いつも遊びに行っていた川に近いところ。
ここで明日のお昼くらいまで過ごさねばならない。

ビバーク開始!

寝床作りをしないといけないので、3本の木にロープをめぐらせ、そこにブルーシートをかけて、簡単なテントを作った。
意外と、やってみればできる。

あとは、ただひたすら空腹との闘いだ。あと、めちゃくちゃ暇だ。
本も持ち込めなかったため、とにかくすることがない。
他のメンバーがどこにいるか、周りを目を凝らして見てみたが、全く見つからず。

時計も無いため、今が何時なのかも分からないので、時間を数えてみたり、ただぼーっとするしかなかった。
ヒマでヒマで仕方ないと思っていたけど、考えてみると、このキャンプに参加してから、一人だけの時間を過ごすことは全くなかったことに気づく。
たぶん、キャンプとか関係なく、普段の生活で自分一人だけで1泊2日を過ごすなんていう体験はしたことがなかった。
そう気づくと、「たまには、こういう時間もいいものだなー」という気持ちになって、いろんなことを考えていた。

また、このキャンプに来ていなかったら、どういう夏休みになっていたんだろう、と考える。
多分、友達の家でゲームして、自分の家でゲームして、公園で遊んで、を繰り返しているんだろうな。
それだったら、キャンプに来て正解だったと、少し他人事のように思う。

キャンプで作るツリーハウス(今見ても結構高い)
ツリーハウス

少ない食材でどう生き残るか

このビバークをするにあたり、私が一番心配していたのは、お腹が減りすぎて死んでしまうのでは問題だった。
いかにこの少ない食料で、明日の昼くらいまで乗り切るのか。
自分なりに色々考えてみた。

1時間おきにちょっとずつ食べていくのはどうか、日が暮れて夜になったら一気に全部食べてしまうのはどうか、などいろいろ考えた。
結構な時間をこの食材消費の戦略のために使った。
そして自分会議の中で導き出した結論は、「お腹が減っても我慢。本当にヤバイと思った時に食べる」だった。

結局、時計がないから時間も分からないし、夜全部食べて翌朝めちゃくちゃ腹が減ってしまった時に食べるものが無かったら、心が折れるだろうなーなどと考えた末の結論である。
あと、シンプルに「空腹にどれだけ耐えられるか知りたかった」というのも、その結論を出した理由だ。

実際、翌日にコーチが迎えに来てくれるまでに私が食べたのは、りんご1口だけだった。
朝になって、めちゃくちゃお腹が空いてきたためりんごを1かじりした後、お腹がそんなに空くことはなく、ビバークは終了。

当時を振り返って

当時のことを思い出して、私が感じたのは、普段の生活では「不便で不自由な時間」を作ることがどんどん難しくなってきているということです。
そもそもそんな時間必要か?とも思いますが、そういう状況に置かれなければ出てこない自分の考えや、気持ちがあるということ。そしてそれに気づくことは面白いということです。

誰とも喋らず、何も食べない夜を森の中で過ごすことは、簡単にはできませんよね。
やりたくても、その環境を作るのはとても難しく、当時、同じ小学校の中でおそらく自分しか経験していないと思います。

不便で不自由だからこそ、自分で考えて行動しなければならない。
子供の頃のそういう瞬間が、人生の経験値として溜まっていくのだと思います。

他のお話はまた更新したいと思います。

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