赤ちゃん返りはいつまで?年代別の原因&対処法まとめ|妊娠や出産がきっかけ?具体的な症状も解説
赤ちゃん返りは一般的に、2人目の妊娠や出産をきっかけとして、上の子に起こります。
今まで成長していたはずの子どもが、赤ちゃんの頃に戻ったような行動を取ることを指します。
急に母親にべったりになったり、夜泣きの再開やかんしゃくを起こすなどが特徴として挙げられます。
突然の赤ちゃん返りに、親は戸惑うこともあるでしょう。
「赤ちゃん返りはいつ終わるのか」不安な気持ちを抱くのも無理はありません。
そこで今回は、赤ちゃん返りのタイミングやいつまで続くのか?について、子育て真っ最中の著者が解説します。
対処法も紹介するので、参考にしてみてください。
目次
赤ちゃん返りが起こるタイミングは?
赤ちゃん返りが起こるのは、環境が変わるタイミングです。
中でも1番多いのは、下の子が産まれたときでしょう。
他にも、引っ越しや進学進級など、生活に大きな変化が起こるタイミングで赤ちゃん返りする傾向があります。
公益財団法人1more Baby応援団は、上の子の赤ちゃん返りについてアンケートを実施しています。
すると「2人目の出産後に上の子の赤ちゃん返りはありましたか?」の質問に対し、「あった」と回答した親は44%という結果になりました。
個人差はありますが、「環境が変わる」「子供にストレスがかかる環境」において、赤ちゃん返りが起こりやすいと理解しましょう。
赤ちゃん返りはいつまで?
赤ちゃん返りはいつまであるのか、親にとっては不安になりますよね。
赤ちゃん返りの期間には、数ヶ月〜1年程度と大きな幅があります。
参考:公益財団法人1more Baby応援団
子供の赤ちゃん返りを経験した人1,000人によると、「赤ちゃん返りの期間」は全体平均で5.3ヶ月です。
4歳が最も長い6.1ヶ月、1歳では2.5ヶ月という結果となりました。
個人差はあるものの、2歳以降は自我が芽生えます。
また、一般的には独占欲も強いと言われています。
それまで自分中心だった親の関心が、別の子に注がれることにより不安になります。
不安を解消するため「甘え」つまり赤ちゃん返りというかたちで表現するのです。
期間はさまざまですが、おおよそ半年くらいと理解し受け止めてあげましょう。
【年代別】赤ちゃん返りの症状と原因解説
赤ちゃん返りの症状や原因は、年齢・状況によって異なります。
- 2歳|夜泣きに関係あり
- 小学生・5歳|妊娠や出産がきっかけに
- 高校生・中学生|反抗期や不登校は?
- 大人|赤ちゃん返りは子供だけじゃない
症状や原因を把握しておくことで、不安は軽減されるでしょう。
下記では、赤ちゃん返りの症状や原因について、年齢別に表で解説します。
2歳|夜泣きに関係あり
症状 | 原因 |
・イヤイヤ ・母親から離れない(抱っこをせがむ、膝から離れないなど) ・夜泣き ・おもらし |
・環境が変わった ・母親の妊娠や出産 ・周囲の関心を引きたい ・何かのストレスを抱えている |
2歳ごろの赤ちゃん返りは、イヤイヤ期の時期と重なります。
主に環境の変化や母親の妊娠・出産による、「不安」「ストレス」が原因です。
睡眠がスムーズにできなくなり、夜泣きやおもらしにもつながります。
症状に個人差はあるものの、母親の愛情表現によって落ち着くことが多いです。
小学生・5歳|妊娠や出産がきっかけに
症状 | 原因 |
・できることを「できない」と言う ・母親に固執する ・保育園や小学校に行きたがらない |
・母親の妊娠や出産 ・引っ越し ・入園や入学による環境の変化 |
小学生や5歳ごろの赤ちゃん返りは、母親の妊娠や出産がきっかけになるケースがほとんどです。
それまで自分中心だった生活が一変し、下の子にかまう母親に固執するようになります。
関心を引くために「できない」とわがままを言うことも多いです。
学校に行きたがらないなどの、症状も見られます。
中学生・高校生|反抗期や不登校は?
症状 | 原因 |
・赤ちゃんのように甘える ・学校に行きたがらない ・おもらし ・駄々をこねる |
・大きなストレスやプレッシャー ・愛情を求めている ・承認欲求 |
高校生や中学生でも、赤ちゃん返りをする場合があります。
主な原因は、大きなストレスや承認欲求です。
特に高校生は、半分大人の世界へ入り、将来への不安やプレッシャーを受けやすくなります。
赤ちゃんのように甘えたり、駄々をこねる、不登校になるケースもあるので注意しましょう。
また幼少期の愛情不足によって、反抗期ではなく赤ちゃん返りをすることがあります。
子供は親の愛情を求めているため、しっかり受け止めることが大切です。
大人|赤ちゃん返りは子供だけじゃない!
症状 | 原因 |
・家事の非協力 ・父親が子供と張り合う ・わがままを言う ・赤ちゃん言葉で話す |
・出産による夫婦のバランスの変化 ・「父」という認識が追いついていない ・ストレス ・幼児退行 |
子供にあると思われがちな赤ちゃん返りですが、実は大人にも起こります。
特に子供が産まれたあと、父親が赤ちゃん返りするケースが多いです。
一般的には、妻への愛情表現やわがまま、自身の趣味に没頭するなどの症状が挙げられます。
ただし、過度なストレスによる「幼児退行」の可能性があるので注意しましょう。
赤ちゃん返りの対処法紹介
赤ちゃん返りの対処法はご存じでしょうか?
- 共感し寄り添う
- 望むことをしてあげる
- スキンシップをする
- 2人の時間を増やす
- 親側も気分転換をする
上記を実践することで、赤ちゃん返りの症状の緩和を目指せます。
子供だけでなく、親側の気分転換も大切です。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。
共感し寄り添う
赤ちゃん返りの際に最も大切なのは、共感し寄り添うことです。
引越しや出産など、環境の変化が起こるなかでの赤ちゃん返りは、親にも相当な苦労となります。
しかし忙しい・大変だからといって、ないがしろにしてはいけません。
赤ちゃん返りの原因は、前述したとおり「不安」や「関心がほしい」という表れです。
子供に寄り添うことで、不安が徐々に解消され、赤ちゃん返りの終わりが近づくでしょう。
望むことをしてあげる
赤ちゃん返りには、可能な限り望むことをしてあげるという対処法もあります。
「わがままな子になるのではないか?」と不安になるかもしれません。
しかし、赤ちゃん返りはいつか終わりが来ます。平均は約半年ほどです。
その期間は割り切り、できるだけ望みやわがままを聞いてあげましょう。
親が大変なように、子供も不安な中過ごしています。
「もっと自分を気にかけてほしい」という願いの裏返しなので、赤ちゃん返りの期間はたくさん甘えさせてあげることも大切です。
スキンシップをする
赤ちゃん返りの対処法には、スキンシップも挙げられます。
赤ちゃん返りは子供の不安による表れなので、スキンシップをして和らげてあげましょう。
スキンシップは、オキシトシンという幸せホルモンが分泌されると言われています。
具体的には、抱っこや撫でるといった行動で、言葉が通じない赤ちゃんにも効果的です。
また「大好きだよ」という声かけも心がけましょう。
幸せな気分になることで、徐々に赤ちゃん返りが解消されていきます。
2人の時間を増やす
赤ちゃん返りが起きた場合、2人の時間を増やすのも対処法の1つです。
特に下の子の出産をきっかけに赤ちゃん返りが起こったなら、上の子は「自分への関心が薄れたのでは?」と不安を感じます。
その場合、2人で出かけてみるのがおすすめです。
周囲に協力を仰ぎ、2人の時間をつくってみてください。
長時間が難しいなら、下の子のお昼寝の時間だけでも問題ありません。
可能な限り、親を独占できる時間をつくってあげることが大切です。
親側も気分転換をする
子供が赤ちゃん返りをすると、親は少なからずストレスや疲労を感じます。
特に上の子が赤ちゃん返りした場合には、母親への負荷が大きくなりがちです。
しかし母親がイライラを溜め込むと、負の感情は子供に伝わります。
子供は親にも笑っていてほしいものです。親側も適度な気分転換を心がけましょう。
ゆっくり休憩する、趣味を楽しむなど、自身のストレス解消になるものがおすすめです。
1人で抱え込まないよう、家族で協力し乗り越えてください。
赤ちゃん返りへのNG対応
赤ちゃん返りがつらくても、下記のような対応はNGです。
- 突き放す・無視する
- 人と比べて否定する
- 叱る
子供に寄り添うことを心がけましょう。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。
突き放す・無視する
赤ちゃん返りへのNG対応として、「突き放す・無視する」が挙げられます。
赤ちゃん返りの原因は、主に寂しさや不安な気持ちです。
下の子の育児や家事が重なると、「うるさい」と思うことがあるかもしれません。
しかし、そこで親が子供を突き放したり、無視するとどうなるでしょうか。
子供は「もっと訴えないとわかってもらえない」と、かんしゃくを起こす可能性があります。
場合によっては、幼少期の寂しさから思春期以降に赤ちゃん返りすることもあるのです。
忙しい・イライラする場合でも、子供の前では笑顔でいることを心がけましょう。
人と比べて否定する
子供が赤ちゃん返りをしたとき、人と比べて否定するのはNG対応です。
例えば「〇〇ちゃんはできている」「あなたはお兄ちゃんなのにどうしてできないの」という声かけをしていませんか?
子供の赤ちゃん返りには、自己肯定感を育む効果があると言われています。
何もできない自分を認めることで、「ありのままの自分を受け入れる」ことができるのです。
子供の成長の一環だと割り切り、優しく受け入れてあげましょう。
赤ちゃん返りが終わったとき、成長した姿を見られるはずです。
叱る
赤ちゃん返りをしている子供に対して、叱るのは逆効果です。
子供は、親に関心を持ってもらいたいと思っています。
それまでできていたこと(トイトレや着替えなど)が「できない!」と言ったり、「もっと抱っこして!」と過剰に甘えてくることもあるでしょう。
その際「だめ」や「どうしてできないの」と叱ったり、「お兄ちゃん・お姉ちゃんでしょ!」と言うのはいけません。
子供の気持ちを尊重し、寄り添うことを忘れないでください。
赤ちゃん返りに関するよくある質問
最後に、赤ちゃん返りに関するよくある質問に回答します。
- 一人っ子でも赤ちゃん返りはある?
- 赤ちゃん返りがない子もいる?
赤ちゃん返りは人それぞれです。
下記で回答・解説します。
一人っ子でも赤ちゃん返りはある?
一般的に、赤ちゃん返りは兄弟がいる子供を想像しがちです。
しかし、一人っ子でも赤ちゃん返りの可能性はあります。
主な原因は、環境の変化です。「進学で親との時間が減った」「今までの生活習慣と異なる状況になった」など、子供がストレスを抱えると赤ちゃん返りの兆候が表れます。
一人っ子の赤ちゃん返りの場合も、対処法やNG対応は兄弟がいる子供と同じです。
子供を受け入れスキンシップをし、叱ったり無視することがないように心がけましょう。
赤ちゃん返りがない子もいる?
子供が赤ちゃん返りをしていないと、「これって変なこと?」と不安を抱くでしょう。
もちろん赤ちゃん返りをする子もいれば、しない子もいます。
特に不安がったり、普段と違う様子がなければ普段どおり接して問題ありません。
ただし「普段となにか様子が違う」や「なにか我慢している様子」などがあれば、あまり無理をさせないようにしましょう。
幼少期の経験や個人の性格によって、うまく寂しさや不安を表に出せない子もいます。
抱え込ませると、中高生になってから突然赤ちゃん返りをするケースもあるので注意してください。
赤ちゃん返りは受け入れてあげることから
赤ちゃん返りは、生活に変化があるタイミングで起こる可能性が高いです。
親も大変ななか、子供の赤ちゃん返りの相手をするのは大変でしょう。
しかし、赤ちゃん返りの原因の多くは「不安」や「愛情欲求」です。
避けたり叱ったりせず、ありのままの子供を受け入れてあげましょう。
赤ちゃん返りはいつか終わります。しっかり向き合ってあげてください。