2週間のサマーインターンシップを終えて、感想を一言で言うとすれば『参加してよかった』です。
私は今年度、大学生活残り2年という状態で編入してきました。
これまで5年半在学していた商船高専を昨年の9月に卒業し、同期は皆、船員として働いている中、私自身大学への編入を選択したのは、“将来なりたい自分”を見つめなおす時間が欲しかったからです。
そのため、私にとって大学で過ごす一日一日は貴重で「なんとなく過ごす」ということだけはしたくありませんでした。
そんな時に出会ったのがSNSで流れてきた「BSCサマーインターンシップ」の広告です。
私はすかさずリンクへ移動し説明を読みました。
そのとき「これは私のためのインターンシップだな」という印象を受けたことを今でも覚えています。
インターンシップで学んだことは大きく分けて3つあります。
それは「人を頼るスキル」「自分の意見を明確に伝えるスキル」「挑戦するスキル」です。
人に頼るスキル
まず一つ目に、コーチの中でリーダーという役割になった時、私は他のコーチ達から「人を頼るスキル」を教えてもらいました。
私はこれまで学生会長などリーダーという立場を任せていただく経験が多かったのですが、上手くみんなを取りまとめることはできても、誰かに仕事をお願いすることが苦手で人を頼ることがかなり下手でした。
そのため今回のインターンシップではリーダーになった時、自分一人で抱え込むのではなく、「人を頼る」というのを常に意識するよう心がけていました。
他のコーチは私がリーダーとして動きやすいように全力でサポートしてくれたし、私が仕事をお願いすることで互いの信頼関係も生まれるということに気づくことができました。
また、一人ではなく「みんなでその日のプログラムを成功させるぞ!」という意識を持つことで、みんながいるから大丈夫という安心感が生まれ、リラックスしてリーダーを務めることができた気がします。
人を頼ることは恥ずかしいことではなく、むしろ「人を頼る」は一つのスキルということを身に染みて感じました。私自身、人から頼られると嬉しいように、私もこれからは人を頼ることを意識して生きていこうと思えました。
二つ目に学んだことは「自分の意見を明確に伝えるスキル」
コーチミーティングのとき、その日の出来事や次の日のスケジュールについて話しますが、今でもよく覚えているのは、2人のコーチが次の日の子供たちの班の組み合わせについて真剣に意見を交わしていたことです。
「スケジュールがうまく進むように、どの班を組み合わせると効率がいいか」「果たして、この班の組み合わせで子供たちは楽しむことができるのか」等、子供たちを楽しませたい反面、スケジュールに支障が出る可能性があるというような内容でした。
その様子を見ていた私は、その2人のコーチに感化され、自分の意見を明確に伝えることは大切なことだと気づかされました。
これまで、誰かが発した意見にそのまま流され、自分の意見は言いかけても曖昧で、途中で諦めることが多く伝えずに終わることが何度もありました。
サマーキャンプを成功させたいという思いはみんな一緒。だからこそ、良いものに仕上げるために意見をぶつけ合う。
そんな他のコーチたちの姿に「かっこいい!私も負けたくない。」と思えました。間違った意見かどうかは伝えてみなければわからないし、意見を交換し合うことでより良いものになるかもしれない。
人の意見を受け入れることも大事ですが、自分の意見を伝えることも同じくらいに大事ということを学びました。
三つ目は子供たちから学んだことである「挑戦するスキル」
サマーキャンプのプログラムの中に“ロープワーク”というロープで様々な結び方を教える時間があります。子供たちの中には、もちろん器用な子もいれば不器用な子もいます。
私がロープワークを教えているとき、子供たちみんなのロープワークが上達していく中で、どうやってもうまくいかない子が一人いました。
その子はみんなに背を向けて歯を食いしばって、できるまで何度も何度も挑戦していました。
「自分のペースでいいから、できるまで挑戦する。諦めないぞ。」という心の声が聞こえてきそうなほど、黙々と挑戦する姿に感動しました。自分にできないことを受け入れ、できるまで挑戦する。
大人になるに連れて、できないことに目を背けることが増え、苦手分野をそのまま放置してきた私にとって、「できなくてもやってみる、自分のペースで挑戦する。」という今の私に必要なことを教えてもらいました。
2週間という長いようで短いインターンシップは、私にとって最高の思い出です。
一つの目標を達成し成功させるために、みんなが同じ熱量で真剣に意見を交わすことは滅多に経験できることではありません。この経験は社会に出てからも役に立つものだと確信しています。
みんなでいいものを作り上げるために意見を交わすことができる、そんな仲間に出会えたこと、そしてその機会を提供してくださったBSCスタッフの皆様、小学生のみんなに心より感謝いたします。
最後にはなりますが、私が最後のあいさつで子供たちに伝えたことをここに記します。
きっかけは何でもよくて、きっかけさえあれば人は動くことができます。
そのきっかけを今回のインターンシップで子供たちに作ることができたなら幸いです。
これからの人生で様々な壁にぶつかることがあったとしても、サマーキャンプでの経験や、初めて感じた思いや気持ちが、将来のどこかで躓いた時の手助けやヒントになってくれることを願います。
将来したいこと、なりたい自分に出会うことは簡単なことではありませんが、それを見つけることが私にとっては楽しくて、一生の課題だと思っています。
5年半、船のことを学んできましたが、船を好きになったことは一度もないし船員として働きたいとも思いません。
それでも、陸上から海運を支える海運業界の操縦士になりたいという思いがあります。
どんな経験も無駄なことは一つもなく、必ず自分を魅力的にしてくれるものだと確信しています。
将来したいことが今すぐに明確にならなくても、BSCのphilosophyである「冒険ある人生」にするために、人生そのものを宝探しと捉え、これからもっと楽しい人生にしていきたいと2週間を経て思うことができました。
そんな答えを見つけ出すことができたのは、BSCを通して出会った皆様のおかげです。重ねてお礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。