まこコーチ(慶應義塾大学)

インターンを通して気付いたことや学んだことは振り返ると山ほどありますが、一番の収穫は、「キャンプの目的、ひいては教育の目的は、子どもを成長させることなんかではなく、子どもにきっかけを与えることなのではないか」という気付きを得たことだと思っています。

キャンプの最中、お友達と喧嘩をしている子を見た時やコーチのお話を聞いてくれない時など、つい、子どもを“正したい”と思ってしまう瞬間が、私には何度かありました。

そんな時にふと考えたことが、これは、単に私の考えを押し付けているだけでは無いのか?ということです。

喧嘩をしないで欲しい、私の話を聞いて欲しい。

一見正しそうに見えますが、よくよく考えてみると、これは私からの一方的な思いでしかありません。

相手には相手なりの理由があって喧嘩をしているはずですし、話を聞かないことにも何かしらのわけがあるはずです。

それなのに、こういった相手の事情を無視して、「喧嘩をしないようになること」「話を聞くようになること」を成長だと位置付け、“指導”しようとしている自分に気付いた時、子どもを成長させようと意気込んでいた自分は何か間違えているかもしれないと考えるようになりました。

お友達とどのように関わるのか、前に立っている人にどう接するのか。

「自分がどのように生きるのか」に繋がる部分は、子どもたちが自分で決めることであり、私が押し付けるべきことではないのかもしれない。

その代わりに。

「どのように生きるのか」を考えるきっかけになるような、出来るだけ上質な経験を、出来るだけ沢山与えることこそが、私の役割なのではないか。

そして。その経験に基づいて、子どもたちがどのような選択をし、どのように変わっていくのかは、私が関与して良い部分ではなく、子どもたちが自力で掴んでいくところなのだ、と。

これが、私が3週間を通して得た結論です。

この結論の是非は、今の私にはまだわかりません。

これは、私が人生をかけて検証していくことになる仮説なんだと思いますが、この考え方に至ることができたことは、とても価値のあることのように感じています。

と、書きはしましたが。

私がBSCに行けてよかったと思う一番の要因は、出会えた人、です。

やっぱり大切なのは、何をするかよりも誰とするかだと、改めて実感しました。

BSCのスタッフの皆様には、心から感謝しています。

3週間、お世話になりました!